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第111回学術集会(平成18年6月18日(日))

【一般演題】
胎児異常1
高度肺低形成を示したVACTER連合の1症例


斉藤 圭介, 長瀬 寛美, 鈴木 理絵, 橋本 栄, 平吹 知雄, 山中 美智子
神奈川県立こども医療センター産科


 出生前に救命困難と診断した重度の肺低形成を伴うVACTER連合を経験したので報告する.症例は,29歳,0経産.妊娠31週妊婦健診時羊水過多(AFI 30cm)を指摘され,心右方偏位,四腔断面不明瞭もあり当センターに紹介となった.推定児体重は1575gであったが児頭横径は妊娠35週相応,腹部断面積,大腿骨は妊娠29週相応であった.心臓は右方偏位していたが,明らかな心奇形は認めなかった.胸郭は垂直方向に短縮しており,超音波上,正常肺と思われる部位は認識できなかった.小脳虫部低形成,大槽拡大がありDandy-Walker variantも疑われ,また脊椎配列も不整であった.羊水過多症のため羊水穿刺排液を2回施行し,羊水染色体は46,XYであった.妊娠33週の胎児MRIでは胸郭低形成が認められ,非常に微小な肺と思われる組織を認めたのみであった.左胸腔は胸腺によって占められていると考えられた.また膀胱後方に異所性腎を認めた.妊娠35週0日,本人と夫に以上の所見と,正常肺をほとんど認めないことから救命困難と考えられる旨を説明した.翌日陣痛発来し,2184gの男児を頭位で経腟分娩した.アプガースコア2点/1点.ごく弱い啼泣あり,気管内挿管のうえ蘇生試られたが反応なく出生後約1時間半で死亡確認された.児の病理解剖所見では,肺は正中に一つあり重度の低形成(肺重量1g)であった.胸郭は胸腺で占められていた.腎臓,尿管は一つで膀胱背側に位置していた.心房中隔欠損も認めた.全身骨X線写真では頸椎から胸椎にかけて変形みられ,一部癒合していた.以上よりVACTER連合と考えた.母体産褥経過は良好であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(2) 200-200, 2006


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