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<< 学会誌へ戻る HELLP症候群は，溶血・肝酵素上昇・血小板減少を三徴とする症候群であり，血管内皮障害，血液凝固亢進，交感神経活性化を背景とする血管攣縮がPIH，妊娠性腎症，子癇などと共通の病態と考えられている．今我々は，発症から急激にDICに至った，産褥期発症の1例を含む3例のHELLP症候群を経験したので報告する．【症例1】33歳初産婦．既往歴なし．近医にて妊娠経過異常なし．34週4日，胃痛にて近医受診．腹部板状硬，BP180/90と血圧上昇を認め当院へ搬送．入院時採血にて血小板12.5万，AST 1236（IU/l），ALT 1168（IU/l）と異常を認め，緊急帝王切開施行．1700g女児AP8/10．抗DIC療法と輸血にて治療．術後1日目腹腔内に巨大な血腫を認め，除去術施行．治療継続の後，13日目退院．【症例2】28歳初産婦．既往歴なし．近医にて妊娠経過異常なし．38週4日，胃痛にて救急車で近医受診．胃痛は改善したがBP154/102と血圧上昇を認め当院へ搬送．入院時採血は正常．3時間後再検にて，血小板6.9万，AST 482（IU/l），ALT 442（IU/l）と異常を認め，緊急帝王切開施行．2338g女児AP8/9．抗DIC療法と輸血にて治療．11日目退院となった．【症例3】39歳初産婦．既往歴なし．当院にて児が軽度のIUGR以外は妊娠経過異常なし．38週5日陣痛発来にて入院．分娩経過異常なく，2122g女児AP8/9で経膣分娩．分娩後2時間，突然の胸痛・背部痛を認めBP160/80と上昇．心電図，胸部xp正常，Sat 99％と異常なし．胸痛時の採血は正常．3時間後血小板13.4万と低下，AST 592（IU/l），ALT 466（IU/l）と上昇認め，5時間後血小板8.3万まで低下．抗DIC療法と血小板輸血にて治療．産褥6日目退院． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 279-279, 2006 |
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