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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
妊娠分娩7
Chronic abruption oligohydramnios sequence(CAOS)の一例


有泉 大輔, 松本 泰弘, 町田 綾乃, 松本 由佳, 清水 泰樹, 田口 彰則, 町田 亮太, 木戸 浩一郎, 有村 賢一郎, 篠塚 憲男, 綾部 琢哉, 冲永 壮一
帝京大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター産科


 CAOSは稀な疾患で,子宮収縮を来して妊娠24―30週で分娩となることが多い.常位胎盤早期剥離を合併する事もあり,児に呼吸障害を来たすことがある.今回我々はCAOSの1例を経験したので報告する.症例は37歳1経妊1経産.自然妊娠後,妊娠5週より性器出血を認め,妊娠7週には12×35mmの絨毛膜下血腫(以下SCH)を認めていた.前医へ入院し,SCHはいったん縮小したが妊娠22週に,出血増加・羊水過少にて当院紹介となった.胎児推定体重・胎児形態の異常は認めなかったが,AFIは3.6cmで,羊水中にscatterを認めた.羊水過少・CAOS疑いで入院となった.モニタ上,子宮収縮を認めるも子宮口は閉鎖,頚管長は40mm以上であった.その後,羊水量は減少しAFIは計測不能となったが,児の発育は認められ,reassuring fetal statusと判断されたため保存的に管理していた.次第に腹緊増強し妊娠24週4日には抑制不能となり,骨盤位でもあったので緊急帝王切開術を施行した.児は男児で654g,apgar score 2/6で人工呼吸器管理となった.胸部X線上,RDSの所見は見られなかった.胎盤は300g,肉眼的には脆弱で,胎盤辺縁の萎縮,卵膜混濁を認めた.病理診断では母体面に陳旧性血腫・胎児面にヘモジデリン沈着を認めた.梗塞巣は認めなかった.CAOSを疑う所見(SCHの既往・前期破水と関連しない羊水過少・持続する性器出血)が認められた場合は,遷延性肺高血圧・CLDのリスクも高いとされているので,新生児科の綿密な協力のもと,出生直後の呼吸循環の確保ができるように臨む必要があると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 280-280, 2006


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