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<< 学会誌へ戻る 子宮頸管妊娠はまれな疾患であるが，超音波検査で早期に診断されることから，近年MTX投与による保存的治療が試みられている．しかし時に大量出血をきたし，止血処置に難渋することがある．早期の子宮頸管妊娠症例に対して，MTXを投与し，出血に対しては頸管内にバルーンカテーテルを留置することで保存的に対処出来た．症例は34才2経妊0経産．妊娠6週5日．他院から不正出血を主訴に流産の疑いで紹介され受診し，子宮頸管妊娠の診断で即日入院した．入院時子宮頸管内に21mmのGSと，胎児心拍を認めた．子宮体部には6cm大の子宮筋腫があった．入院翌日から，保存的治療としてMTX-FA療法（MTX 1mg/kg/day，FA 0.1mg/kg/day各4日間）を開始した．しかし同日多量の性器出血を認めたため，子宮頸管内に膀胱留置用のバルーンカテーテルを留置し，止血出来た．尿中HCGは入院時4986IU/Lであったが，25日目には15IU/L以下になった．頸管内バルーンカテーテルは挿入から16日目に抜去したが，再出血はなかった．入院後31日目には退院した．今回妊娠早期の子宮頸管内妊娠で出血例に対して，MTX-FA療法と，頸管内バルーンカテーテル併用によって保存的治療を行い得た臨床的意義は大きいと考える． 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 286-286, 2006 |
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