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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
子宮良性疾患1
子宮筋腫赤血球増多症候群を呈した巨大子宮筋腫の1例


永田 智子, 佐藤 美紀子, 吉田 浩, 杉浦 賢, 宮城 悦子, 榊原 秀也, 平原 史樹
横浜市立大学附属病院産婦人科


 【はじめに】近年患者による治療法のインフォームドチョイスが浸透するに従い,比較的巨大な筋腫でも保存的に経過観察する症例が増加しているが,そのような症例でいかなる健康被害が発生するかについては未知の部分が多い.今回我々は巨大子宮筋腫に2次性赤血球増多症を呈した子宮筋腫赤血球増多症候群の一例を経験したので周術期の注意点,EPO産生性子宮筋腫の臨床・生物学的特色について文献的考察を加え報告する.【症例】37歳 0経妊0経産 半年前から自覚する腹部腫瘤を主訴に受診.2年前から健康診断で赤血球増多症を指摘されていたが放置.過多月経,月経困難症なし.腹部膨隆し,臍上まで達する硬い腫瘤を触知.超音波,MRI上30cm大の巨大筋腫が疑われた.【術前血液検査所見】RBC 644万/μl Hb 19.4g/dl Ht 58.1%と赤血球増多症を認めた.循環赤血球量57.5ml/kg,血清エリスロポエチン(EPO)32.6mU/mlであり,二時性赤血球増多症と診断.その他異常所見なし.【経過】血液粘調度の増加による血栓症予防のため術前に計1600ml瀉血後,腹式子宮筋腫核出術施行した.術中出血量2500ml,自己血400mlを返血した.筋腫は重量6kgの漿膜膜下筋腫であった.術後RBC 432万/μl Hb 12.7g/dl Ht 39.1%と赤血球増多症は改善,血清EPOも15.0mU/mlと低下した.経過良好で,術後9日目退院となった.病理組織診断は粘液変性を伴う平滑筋腫であり,また摘出子宮筋腫組織からRT-PCR法でEPO mRNAが検出された.術後赤血球増多症は改善しており,術前後にEPO値が低下していること,筋腫核からEPO mRNAが検出されたことから子宮筋腫によるEPO産生により,2次性赤血球増多症を呈したものと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 294-294, 2006


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