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第112回学術集会(平成18年10月29日(日))

【一般演題】
不妊
原発無月経を呈する頭蓋咽頭腫術後汎下垂体機能低下症に体外受精凍結胚盤胞融解移植を施行し妊娠しえた一例


三箇島 睦実, 清水 聖子, 牧野 康男, 松田 義雄, 高木 耕一郎, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 汎下垂体機能低下症は低ゴナドトロピン血症による排卵障害を伴うため,排卵誘発を行う場合,多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群の発症が問題となる.今回当科では頭蓋咽頭腫により汎下垂体機能低下症を呈した症例において体外受精,ならびに卵巣性ステロイドホルモン補充周期における凍結胚盤胞・融解移植を施行し,妊娠に至った一例を経験したので報告する.症例は30歳.18歳時に近医産婦人科受診し,原発性無月経と診断されホルモン剤内服薬によりわずかに消退出血認めるも半年で中断.22歳受診時,低ゴナドトロピン性無月経,甲状腺機能低下症の精査目的で近医内科を紹介され受診,精査により,頭蓋咽頭腫による汎下垂体機能不全症と診断され,脳神経外科にて経蝶骨洞下垂体腫瘍摘出術を受け,術後レボチロキシンナトリウム,ヒドロコルチゾン補充療法,Kaufmann療法を継続施行していた.28歳で結婚し,挙児希望を主訴に当科を受診.2005年1月よりHMG療法による排卵誘発を2コース試みたが,ともに30個以上の卵胞発育を認めたため排卵を惹起せずに中止.2005年6月全胚凍結保存を前提にロングプロトコールで排卵誘発を行い,34個採卵,16個の受精卵すべてを2―5細胞期で凍結保存した.卵巣性ステロイドホルモン補充周期に融解胚移植を3回施行するも妊娠に至らず,2006年3月に2回目の体外受精を行った.34個採卵,うち8個が胚盤胞に至り,すべてをガラス化法で凍結保存し,卵巣性ステロイドホルモン補充周期に融解胚移植2回目で妊娠を確認した.体外受精・胚移植法は汎下垂体機能不全症に対し,多胎妊娠,卵巣過剰刺激症候群の発症予防の観点からも有用な不妊治療法であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(3) 305-305, 2006


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