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第113回学術集会(平成19年6月3日(日))

【一般演題】
合併症妊娠(3)
晩期産褥出血を契機に診断された後天性第VIII因子インヒビター症の1例


村岡 光恵, 真井 雅臣, 佐藤 真之介, 倉田 章子, 高木 耕一郎
東京女子医科大学東医療センター産婦人科


 第VIII因子インヒビター症は後天性血友病Aともいわれ,発生頻度は年間0.2〜1/100万人とされる稀な疾患である.我々は産褥期発症の同症例を経験した.
 【症例】31歳,G1P0.家族歴既往歴,妊娠経過に特記事項なく,妊娠39週に3430g男児を吸引分娩にて出産.頸管・腟壁裂傷を生じ,分娩時出血量513g.産褥7日,軽度貧血を認めるも経過順調にて退院.産褥10日に突然大量出血をきたし,来院.内診で子宮は鵞卵大,約300gの出血を認め,直ちに子宮収縮剤投与,子宮内容清掃術施行するも止血せず.また,頸管・腟壁からも出血を認め再縫合施行.出血傾向を認めたため,凝固系検査を施行.aPTTは56.9秒と延長するも血小板18万/mm3,PT13.7秒,フィブリノーゲン329mg/dl,ATIIIは113%と正常.第VIII因子活性,抗原量はそれぞれ,4%,11%と著明に低下し,第VIII因子抑制因子(F8IF)が検出された.既往に出血傾向なく,分娩直前のaPTTは34.1秒と正常であったことから後天性第VIII因子インヒビター症と診断.プレドニン30mg投与2か月でF8IFは陰性化,第VIII因子抗原量94%,aPTT 38.0秒と正常化した.
 【結語】本症の発症機序は不明であるが,妊娠分娩関連の報告が多い.産褥大量出血の鑑別診断にあたり,本症も念頭に置くことが肝要であると思われる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(2) 188-188, 2007


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