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第114回学術集会(平成19年10月14日(日))

【一般演題】
子宮内膜症
卵管留血腫を呈した卵管子宮内膜症の1例


古川 哲平, 青木 朝子, 澤 枝里, 三宅 雅子, 鹿島 大靖, 宮本 強, 芦田 敬, 岡 賢二, 伊東 和子, 塩沢 丹里, 小西 郁生
信州大学産婦人科


 卵管の子宮内膜症といった場合の多くは,卵管漿膜から漿膜直下に子宮内膜組織が存在している状態である.しかし,時に異所性子宮内膜組織が卵管内を閉塞している場合があり,intraluminal endometriosisと称される.今回intraluminal endometriosisにより卵管留血腫をきたしたと考えられる1例を経験したので報告する.症例は28歳,0回経妊,未婚で,20歳でクラミジア頸管炎の診断で内服治療を受け,また,25歳時,右卵管留血腫および右卵巣子宮内膜症性嚢胞の診断で,近医にて腹腔鏡下右卵管開口術,骨盤内癒着剥離術を施行された.術後GnRhアナログを使用し,卵巣嚢腫は縮小したが,経過観察中,子宮頸部細胞診異常を認め前医紹介となった.前医では子宮頸部および内膜細胞診異常と付属器領域の嚢胞性疾患を指摘され,当科紹介となった.超音波検査上,右付属器領域に正常大の卵巣に接して不正形長円形の嚢胞性腫瘤を認め,内部は砂粒状であった.MRI検査でも右卵巣に異常所見は認めずこれに隣接してソーセージ様構造を呈する嚢胞性腫瘤を認めた.内部はT1強調像,T2強調像とも高信号を呈し,脂肪抑制は受けず,血性成分の貯留と考えた.また,子宮鏡にて右卵管口から子宮内腔へ血性成分の流入を認めた.血中腫瘍マーカーはCA125 26.1U/ml,CA19-9 5.4U/mlと上昇を認めなかった.この他子宮頸部の組織診断にてCIN IIIと診断された.右卵管留血腫とCIN IIIの診断で,腹腔鏡下手術と子宮頸部円錐切除術を行った.右卵管は腫大し周囲臓器と癒着していたため,癒着剥離ご右卵管切除術を施行した.術後の病理組織診断で卵管内腔のほとんどが子宮内膜組織で置換されており,卵管子宮内膜症と診断した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(3) 332-332, 2007


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