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第117回学術集会(平成21年6月14日(日))

【一般演題】
その他 周産期管理など
対応に苦慮した母体搬送の2症例


中林 靖, 中山 摂子, 安達 知子, 佐渡島 陽子, 崎川 牧子, 湯 暁暉, 檜垣 博, 鶴賀 香弥, 川名 有紀子, 竹田 善治, 坂元 秀樹, 中林 正雄
愛育病院産婦人科


 当院は母子病院型の総合周産期センターであるため,救急隊からの一般搬送の症例のなかには当院での対応不能例があるが,そのような症例の再搬送はきわめて困難である.搬送受け入れ後,対応に苦慮した2症例を経験したので報告する.症例1.36歳,英国在住チェコ人,G1P1,英国で健診し26週に前置胎盤と診断されたが,旅行許可がおり観光目的で来日.28週,都内ホテル滞在中に警告出血出現し,管轄区域であったため当院へ搬送.入院時診断:全前置胎盤,前回帝王切開,癒着胎盤疑い.入院後,旅行保険適応がないため医療費は払えず本人は帰国を希望.滞在費の関係ですでに家族は英国へ帰国したため,大使館及び自治体を含めた行政へ対応を依頼したが支援なく,帰国の渡航手続き,同行する医師の手配,英国保険会社との連絡・交渉もすべて当院医師が行った.出発間際に保険会社より保険適応ありとの連絡が入り入院続行となったが,航空会社の搭乗許可も曖昧な状態で対応に苦慮した.症例2.40歳,G1P1,住所不定,公園で出産直後の状態を発見され,管轄地域のため当院に搬送.産科未受診,後で判明したが統合失調症で会話不成立.精神科のある産科への搬送先を探したが見つからなかった.産褥3日目不穏状態は進行したが,都立総合病院精神科への搬送は保護者がいないため断られ,私立精神病院が緊急措置として受け入れた.結論:施設間搬送と異なり,現在の一般緊急搬送では症例に適した施設への搬送が行われないことがある.今後,搬送システムの効率的な運用のためには,コーディネーターの養成,地域の病院間の密接な連携,公的保障などの整備が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(2) 197-197, 2009


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