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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
前置胎盤
・前置胎盤帝王切開に大動脈閉塞バルーンカテーテル(IABO)を使用した1例


鈴木 大輔, 曽田 雅之, 田口 千香, 大澤 稔, 塚越 規子, 山田 清彦
前橋赤十字病院産婦人科


前置胎盤帝王切開では出血量が多くなることがある.近年,様々な血管内バルーンカテーテルを使用して出血量を減少させる試みがなされている.今回我々は全前置胎盤帝王切開において大動脈閉塞バルーン(IABO)を使用し出血量を抑制させることができた1例を経験したので報告する.症例は41歳の初産婦で過去に3回の開腹子宮筋腫核出術を施行されていた.体外受精凍結胚移植にて妊娠成立.妊娠30週から前置胎盤および切迫早産にて管理入院となっていた.軽度の警告出血を数回認めたものの37週の帝王切開予定日まで妊娠継続でき選択的帝王切開に至った.術前の超音波断層法およびMRIでは癒着胎盤は指摘されなかった.胎盤は容易に剥離できたが,その後急速に出血が増量した.IABO挿入しインフレートしたところ術野の出血量が著明に減少した.腸管の癒着が子宮後壁にあり外科医をコールし癒着剥離を行い,最終的には膣上部で子宮を摘出した.術中・術後とも合併症は認めなかった.総出血量は3900ml(羊水含む)で輸血は自己血1200mlのみで済んだ.病理組織診断では癒着胎盤と診断された.児は低血糖にてNICU入院となったが,4日後に新生児室に移り術後7日目に母児ともに退院となった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 200-200, 2010


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