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第119回学術集会(平成22年6月13日(日))

【一般演題】
異所性妊娠A
・腹腔鏡下に施行した卵管色素通水検査が卵管妊娠の診断に寄与した一例


吉丸 真澄, 仲村 勝, 江草 悠美, 綱脇 智法, 菅原 かな, 佐藤 健二, 小川 真里子, 吉田 丈児, 高松 潔
東京歯科大学市川総合病院産婦人科


【緒言】近年,子宮外妊娠の早期診断が可能となり,着床部位の検索にはMRIが有用と考えられている.今回,術前のMRIにてダグラス窩の腹膜妊娠を疑ったものの,術中の卵管色素通水検査が実際の診断に寄与した一例を経験したので報告する.【症例】35歳,3経妊0経産.他院にて子宮外妊娠を疑われ,当院へ紹介となった.当院初診時の血中hCGは625mIU/mlで,経腟超音波検査上,子宮内と両側付属器に胎嚢は認めなかった.血中hCGは2日ごとに726mIU/ml,968mIU/mlと上昇を認めたため管理入院とした.妊娠部位の精査として施行したMRIでは両側卵管の腫大は認めず,拡散強調像にてダグラス窩に高信号領域を認めたため,ダグラス窩の腹膜妊娠を疑い,腹腔鏡下に手術を施行した.ダグラス窩には少量の血性腹水とともに,腹膜との接着のない2.5cm大の暗赤色の腫瘤が存在したが,摘出した腫瘤内には肉眼的に絨毛組織の存在が確認できなかった.卵管色素通水検査を行ったところ,左卵管の通過性は良好であったが右卵管からの色素流出は確認できず.詳細に観察したところ,右卵管膨大部が左側に比べてやや腫大しており,右卵管妊娠を疑い,右卵管切除術を施行した.切除した右卵管膨大部には絨毛組織の存在を確認したため,右卵管妊娠の不全流産と診断した.摘出標本病理診断ではダグラス窩に存在した腫瘤は変性した脱落膜様組織であった.【結語】MRIは術前の着床部位の推定に有用ではあるが,術中に着床部位が特定できなかった場合には,卵管色素通水検査が着床部位の診断に貢献する可能性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(2) 208-208, 2010


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