|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第120回学術集会(平成22年11月28日(日))
【一般演題】
優秀演題賞候補(産科2) 単胎・双胎妊娠における脳性麻痺の発生に関する検討
高橋 伸子, 牧野 康男, 嶋田 悦子, 斎藤 史佳, 蔵本 吾郎, 小林 藍子, 三谷 穣, 松田 義雄, 松井 英雄
東京女子医科大学産婦人科
【目的】単胎・双胎妊娠における脳性麻痺の発生について検討する.【対象と方法】当院で8年間に管理した単胎4,675例(出生4,627例),双胎(MD83組:出生165例,DD110組:出生215例)を対象とした.多胎における入院後の管理で,切迫早産(PTL),妊娠高血圧症候群(PIH)に対する管理は単胎に準じて行なった.小児神経科専門医により脳性麻痺(CP)の診断がなされた.母児の背景(前置胎盤,Preterm premature rupture of the membranes(Preterm PROM),PIH,PTL,分娩週数など)とCPについて検討した.統計学検定はp<0.05で有意差ありとした.【成績】1)CPは全体で21例(単胎16,MD4,DD1)発生し,出生1,000例に対する割合は4.2であった.2)単胎において産科合併症との関連をみたところ,前置胎盤での頻度(5/57)が,PIH(4/435)やPreterm PROM(3/239)に比べて有意に多かった(p=0.01).3)双胎におけるCP症例の分娩週数は,単胎と差がなかった.4)MDではDDに比べ,CPは約8倍多く発生し(24.2 vs. 4.7,p=001),その内訳はMD特有の病態が2例に認められた(双胎間輸血症候群,twin anemia polycytemia sequence 各々1例).【結論】DD双胎と比較して,MD双胎でCPが約8倍多く発生し,単胎では前置胎盤がCPの発生に関連する可能性が示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3)
311-311, 2010
|