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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
子宮内膜症
泌尿器科との連携により内視鏡手術にて対応した膀胱子宮内膜症の一例


中平 直希, 浅田 弘法, 伊藤 嘉佑子, 辻 紘子, 古谷 正敬, 内田 浩, 浜谷 敏生, 橋場 剛士, 青木 大輔, 吉村 泰典
慶應義塾大学産婦人科


尿路系の子宮内膜症は子宮内膜症全体の1〜2%を占め,その約8割が膀胱に発生すると言われている.治療法の選択には議論があるところだが,今回我々は泌尿器科との連携の上,腹腔鏡下手術にて症状の改善を得られた症例を経験したので報告する.症例は33歳,0経妊0経産で挙児希望を有する女性である.2005年より通常の月経痛に加え,月経時〜後に恥骨上の痛み及び随伴する1日十数回の頻尿を自覚していた.近医産婦人科で子宮内膜症による月経困難症との診断に至りピルの内服を行っていたが,疼痛緩和効果に乏しく自己中断していた.2010年4月に当院当科初診となり,経腟超音波にて膀胱内に突出する腫瘤を認め,MRI上も膀胱上壁の肥厚に加え同様の所見であった.恥骨上部痛及び頻尿といった臨床症状が著明で挙児希望もあるため,膀胱子宮内膜症の診断の下,腹腔鏡下膀胱部分切除術および腹腔鏡下子宮内膜症病巣切除術を行うこととした.腹腔内所見は子宮前壁と膀胱が強固に癒着し,ダグラス窩完全閉鎖を認めた.膀胱子宮窩癒着を剥離し,膀胱を受動させた上で膀胱鏡を施行した.尿管口と病巣との距離が近いため,WJカテーテルを挿入した後,膀胱鏡により病巣部位を確認しながら,腹腔鏡下に膀胱を切開した.尿管口の位置に注意しながら病巣部を切除し,膀胱筋層を縫合した.膀胱に癒着していた子宮前壁の子宮腺筋症病巣も切除し,子宮筋層を縫合した.膀胱の摘出標本では内膜症病変が肉眼的に粘膜表面まで達しており,病理組織学所見においても膀胱粘膜下及び筋層内に異型を伴わない子宮内膜様組織が散見され,膀胱子宮内膜症として矛盾しない所見であった.今回の症例に若干の文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 314-314, 2010


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