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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍3
卵管采原発の卵管癌の1例


井上 恵莉, 土屋 聡, 織田 克利, 川名 敬, 中川 俊介, 大須賀 穣, 百枝 幹雄, 矢野 哲, 武谷 雄二
東京大学医学部附属病院女性外科


【はじめに】近年,いわゆる腹膜癌が卵管采に由来するという意見があるが,実際には卵管采原発の報告は少ない.今回我々は原発不明の多発リンパ節腫大を認め,手術施行後,卵管采原発の卵管癌と診断した1例を経験したので,文章的考察も含め,報告する.【症例】60歳2経妊2経産 2009年12月頃より左鼠径部痛・左下肢の浮腫を自覚.2010年2月,症状増悪,鼠径部腫瘤出現の為,当院外科受診.CTでは,腹直筋下端左側に約32mm大の軟部濃度腫瘤と,左鼠径部・傍大動脈・左腋窩・左鎖骨上窩・縦隔リンパ節腫大を認めたが,原発は不明であった.MRI・PETを施行し,悪性リンパ腫の可能性が高いと考え,左鼠径リンパ節生検を施行した.病理組織診断は低分化腺癌であり,卵巣癌もしくは子宮内膜癌疑われ,当科受診.子宮内膜組織診上,微量ながら腺癌組織を認めた為,リンパ節生検と合わせ,子宮内膜癌の全身リンパ節転移を疑い,腹式単純子宮全摘術,両側付属器切除術,大網部分切除術,左鼠径リンパ節生検,傍大動脈リンパ節生検を施行.腹直筋下端左側のリンパ節腫大のほか,腹腔内播種が著明であったが,原発と考えられるような明らかな腫瘤性病変は認めなかった.術後病理診断にて,右卵管采にφ5mm大の腫瘤性病変を認め,右卵管采原発の漿液性腺癌と考えられた.リンパ節病変は転移巣と診断された.【考察】本症例は多発リンパ節腫大を認めるものの,画像上,原発巣が不明であった.腹膜癌診断の症例をreviewしたところ,卵管采に微細な腫瘤が確認された報告がある.本症例の最終病理診断は卵管采原発であり,腹膜癌が卵管采に由来する可能性を支持するものであった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 321-321, 2010


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