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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩3
妊娠中の血小板減少症に対し鑑別診断に苦慮した一症例


伊藤 希, 松田 秀雄, 吉田 昌史, 吉永 洋輔, 浅井 一彦, 川嶋 章弘, 古谷 健一
防衛医科大学校産婦人科


[背景]妊娠中の血小板減少症は4〜11%の頻度であり,慎重な診断・管理を要する.今回妊娠中に血小板の減少を認め,精査にて全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)と診断された一症例を経験したので報告する.[症例]25歳,1経妊0経産.妊娠34週3日に血小板減少症で当科紹介となり,受診時血小板数7.5万/μl(EDTA加採血7.5万),PAIgG:123 ng/107cellであった.妊娠35週6日で血小板数6.5万/μlと減少したためプレドニン20mg/日内服を開始,精査目的で36週0日入院となった.母体の骨髄穿刺にて巨核球数の軽度増多の他,明らかな異常は認めなかった.経皮的臍帯静脈血採取(percutaneous umbilical blood sampling:PUBS)において胎児血小板数8.7万/μlを確認した.顔面には蝶形紅斑を認め,抗核抗体高値・抗二本鎖DNA抗体高値を呈したことから,妊娠中のSLE発症による血小板減少症と診断された.直ちにステロイドパルス療法・血漿交換を導入した.経過中胎児の血小板は増加を認めたが,母体血小板数の上昇は認められず38週0日に血小板輸血下で誘発分娩となった.児は2,425gの女児,Apger Scoreは8/10(1分/5分),血小板数は12.6万/μlであった.[結語]妊娠中の血小板減少の原因として妊娠性血小板減少症や特発性血小板減少性紫斑病等が挙げられるが,本症例の様にSLEの発症も稀に存在する.様々な鑑別疾患を念頭に置き注意深い診断および管理を行うことが肝要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 330-330, 2010


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