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第120回学術集会(平成22年11月28日(日))

【一般演題】
異所性妊娠
腹腔鏡下手術にて術中に診断しえた卵巣妊娠の一例


山代 美和子1), 長田 尚夫2), 植田 葉子1), 木下 哲郎1), 川口 英祐1), 吉田 孝雄1)
共立習志野台病院産婦人科1), 加藤レディスクリニック産婦人科2)


今回我々は,腹腔鏡下手術にて術中に診断しえた卵巣妊娠の症例を経験したので報告する.症例は26才1経妊1経産.市販の妊娠診断薬陽性,軽度腹痛を認めるも様子を見ていた.4日後(妊娠5週3日)腹痛増強したため当院外来受診.超音波断層診断法にてダグラス窩に著明な血液貯留像あり.子宮内には胎嚢を認めず,左付属器領域に胎嚢様所見を認めた.血圧109/63 mmHg,脈拍141/分,体温37.5℃,Hb10.2g/dl.子宮外妊娠を強く疑い,貧血症状,血圧低下が認められていたので同日緊急手術として腹腔鏡下手術を行った.骨盤内には約600mlの出血を認めた.左卵巣に付着する凝血塊に切開を入れると中には,純白で光沢がある絨毛とそれを取り囲む嚢胞状の絨毛膜を認めた.凝血塊,妊卵を付けたまま卵巣の一部を切除し妊卵の摘出を行った.卵巣の着床部位(裏側)には豊富な妊娠黄体を認めた.以上より左卵巣妊娠と診断した.子宮外妊娠と診断し開腹手術を行った場合,卵巣妊娠の破裂部位には凝血塊のみしか肉眼的には確認できないことが多いと考えられる.最終診断は組織病理検査による絨毛の確認に委ねられることになる.今回は腹腔鏡下手術によって凝血塊の中に,絨毛とそれを取り囲む嚢胞状の絨毛膜が認められたため,卵巣妊娠の確定診断が術中にできた.これは腹腔鏡だからできたことであり,腹腔鏡下手術がいかに有効であったかを考えさせられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 47(3) 370-370, 2010


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