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第121回学術集会(平成23年6月12日(日))

【一般演題】
多量のバリウム遺残による腹痛を合併した卵巣腫瘍茎捻転の一例


加藤 恵利奈, 椙田 賢司, 高田 眞一, 林 忠佑, 山本 樹生
日本大学産婦人科


多量のバリウム遺残による腹痛を合併した卵巣腫瘍茎捻転の一例を報告する.患者は45歳,2経妊2経産.人間ドッグの胃透視施行後2日目に突然の下腹部痛が出現し,前医受診し卵巣腫瘍を指摘され,同日当科へ紹介された.下腹部全体に著明な圧痛と腹膜刺激兆候を認めた.腹部単純Xp,CT,MRI を施行し,約12 cm の卵巣腫瘍と,横行結腸から下行結腸全体の広範囲にバリウムが残存していることを確認した.バリウム残存による下腹部痛も考え下剤でバリウムの排出を促した.症状は一時軽快したが,再度下腹部痛が出現・増強し,入院5 日目に急激な貧血の進行と炎症反応の上昇,画像上卵巣腫瘍の増大を認めた.腫瘍内の出血を疑い,濃厚赤血球輸血での貧血改善後,入院9 日目に緊急手術を施行した.腹腔内に,広範囲の癒着を伴う腹膜炎の所見と,720 度の右卵巣腫瘍茎捻転を認めた.癒着剥離術と右付属器切除術を施行し,640 ml の腫瘍内血液貯留を確認した.広範な出血による二次性変化のため,腫瘍の病理組織型は特定困難であった.今回多量のバリウムが残存した状況で卵巣腫瘍の茎捻転を合併し,疼痛の原因として鑑別を要した.残存バリウムによる腸閉塞,憩室炎などの報告もあり,バリウム等の経口造影剤使用後は,慎重な診断が必要である


関東連合産科婦人科学会誌, 48(2) 212-212, 2011


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