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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【ワークショップ1】
ガイドライン2010に基づく 新生児蘇生法について


星野 陸夫
神奈川県立こども医療センター新生児科


 現在の日本における分娩の多くは施設内で行われ,新生児仮死の頻度は低く,正しい蘇生処置を行う事で生存率・罹病率の改善が期待できるため,蘇生講習の意義が高いとされています.2007年に日本周産期新生児医学会が新生児蘇生法普及事業を開始して3年後の昨年,初めてのガイドライン改訂(G2010)が行われました.  G2010に基づく出生直後のチェックポイントでは,G2005の項目から「羊水混濁の有無」が取り除かれ「成熟児かどうか?」「十分な呼吸・啼泣が見られるか?」「筋緊張は正常か?」の三点評価になりました.その後の蘇生アルゴリズムにおける3分毎のチェック項目も「呼吸と心拍」のみに変わりましたが,その替わり「パルスオキシメーターによる酸素化の評価」が強く推奨されました.その上でSpO2モニタリング値に基づく(酸素投与制限ではなく)必要最低限の酸素投与が推奨されています.基本的な蘇生手技自体はそれまでの方法と大きく変わっていませんが,呼吸障害に対する第一選択の処置として,虚脱しやすい新生児の呼吸器系の特徴を考え機能的残気量維持を目的にCPAPが推奨されました.そしてCPAPや人工呼吸を行う際にもSpO2モニタリングの上で必要最低限の酸素投与が推奨されています.  ガイドラインが改訂されても,新生児蘇生において保温と換気の補助が最優先される事に変わりありません.しっかりと保温した上で,刺激および分泌物除去・CPAP・人工呼吸の順番で換気補助を如何に速やかに行うかと言う事が最も重要な観点になります.  蘇生後のケアとして保温・呼吸の観察およびモニタリングの継続が重要で,必要に応じて次の対処を検討します.また同時にG2010では血糖管理と脳低温療法の重要性もうたわれており,脳低温療法について体制を整えつつある現状です.なお,適切な蘇生の有無に関わらず10分以上の心拍停止を認める場合には蘇生中止を考慮すべきであり,その点からもすべての仮死出生に対してできるだけ早期に適切な蘇生処置を施す事が望まれます.  正しい蘇生法は防災訓練と同様に,日頃から職場単位で反復練習されて初めて緊急時に活かされます.産科医療補償制度分析報告において,新生児蘇生法の習熟と改善が求められる事例が多いと言う事実からも,すべての産科施設における新生児蘇生法講習の普及・維持は今後の命題と思われます.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 282-282, 2011


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