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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
シロッカー術後に発生した仮性動脈瘤にトロンビンを注入し治療し得た一症例


武田 豊明, 宮上 景子, 太田 創, 澤田 真紀, 小出 馨子, 白土 なほ子, 松岡 隆, 市塚 清健, 大槻 克文, 下平 和久, 関沢 明彦, 岡井 崇
昭和大学病院産婦人科


婦人科手術後に外腸骨動脈に仮性動脈瘤が発生した報告は散見されるが,シロッカー頸管縫縮術後の仮性動脈瘤の報告はない.今回シロッカー術後に発生した仮性動脈瘤に対しトロンビン注入治療を行った症例を経験したので報告する.【症例】35歳,0経妊0経産.【既往歴】SLE,CIS(31歳に円錐切除術)【現病歴】円錐切除術後,SLE合併妊娠の診断で妊娠8週に当院紹介となり,予防的頸管縫縮術目的で妊娠14週4日に入院となった.【入院後経過】妊娠14週5日にシロッカー氏子宮頸管縫縮術を施行した.術中経過に異常はなかった.術後7時間後に下腹部痛を訴えたため,経腟超音波検査を施行した所,子宮頸管前壁から左側に18×16.7mmのlow echoicな腫瘤が描出された.腫瘤内に流入する拍動性の乱流を認め,その血流は左側子宮動脈下行枝より供給されていたことより術後仮性動脈瘤と診断した.翌日,瘤が26mm大と増大傾向を認めたため,積極的治療が必要と判断した.十分なインフォームドコンセントの後,経腟超音波ガイド下にトロンビンを注入し瘤内を凝固させる治療法を選択した.超音波ガイド下に17G採卵針で瘤を穿刺し,トロンビンを0.6ml注入した.その直後に瘤内部の乱流は消失し凝固を確認した.穿刺後に末梢部位の塞栓などの合併症はなかった.術後再潅流することなく瘤は縮小し,穿刺後20日目に退院して現在外来管理中である.また本治療は当院倫理委員会の承認を得ておこなった.【考察】今回のような末梢の小動脈に発生した術後仮性動脈瘤の治療として,トロンビン注入は比較的安全で非常に効果的で有ると思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 294-294, 2011


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