関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
妊娠23週3日に緊急帝王切開術を施行したchronic abruption-oligohydramnions sequenceの1例


松岡 歩1, 尾崎 江都子1, 寺田 美里1, 山縣 麻衣1, 平敷 好一郎1, 伊東 敬之1, 伊澤 美彦1, 布山 祐一2, 野呂 昌弘3
国保松戸市立病院産婦人科1, 国保松戸市立病院新生児科2, 国保松戸市立病院病理科3


【はじめに】近年,慢性常位胎盤早期剥離の概念が知られるとともに,その1型として慢性早剥に羊水過少を伴うCAOSの病態が報告されている.【症例】24歳,2経妊0経産.妊娠初期,子宮体下部後壁に5cm大の子宮筋腫を指摘.17週時に下腹部痛を自覚,炎症反応の上昇を認め,筋腫の変性を疑い鎮痛剤にて経過観察.さらに炎症反応の上昇を認めたため,18週,抗生剤,子宮収縮抑制剤の内服を開始した.20週3日,出血があり前医を再診.羊水量はMVP4.2cmと正常であり,また破水は否定的.子宮収縮抑制剤の内服を継続とした.その後も少量出血が持続.22週2日,出血が増え当院へ搬送となった.初診時AFI6.7と羊水過少で,羊水中に浮遊する高輝度エコー像を認めた.胎盤に明らかな血腫像は認めなかったが,経過よりCAOSが疑われた.抗生剤,塩酸リトドリンにて加療.23週3日破水したため,CAOSの疑い,骨盤位の診断にて緊急帝王切開術を施行.540g,男児,Aps4/8.術中,子宮内に羊水はほとんど認めず,胎盤には陳旧性の凝血塊の付着があり,慢性の胎盤早期剥離が疑われた.病理組織検査では卵膜の脱落膜側に古い出血が変性して存在,ヘモジデリンの絨毛組織への沈着(diffuse chorioamniotic hemosiderosis,DCH)および3度絨毛羊膜炎の所見を認めた.同時に切除した子宮筋腫は広範囲に変性の所見を認めた.【結論】CAOSは同様の週数の切迫早産に比して周産期予後が非常に悪く,管理や治療方法も確立されていない.近年診断基準が徐々に周知されつつあるため,今後症例数の蓄積と検討が必要と思われる.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 317-317, 2011


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会