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第122回学術集会(平成23年10月30日(日))

【一般演題】
婦人科領域の手術において経験した骨盤腎の2症例


仲尾 岳大, 市川 剛, 青木 淳子, 椙田 賢司, 千島 史尚, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学産婦人科


【はじめに】婦人科手術において泌尿器系の奇形に留意することが重要とされる.骨盤腎の頻度は0.05〜0.2%とされる.今回,骨盤腎の2例を経験したので報告する.【症例1】46歳2経妊1経産(経腟分娩).既往歴に特記すべきことなし.子宮腺筋症の診断で腹式単純子宮全摘術を予定した.術前の排泄性腎盂尿路造影では遊走腎と診断していたが,MRIでは骨盤腎が疑われた.開腹したところ手拳大の子宮腺筋症を認めた.泌尿器科医師立ち会いの下に骨盤内を観察し,左後腹膜に腎臓を認め骨盤腎と診断した.腎門部は外側を向いており解剖学的位置に注意し単純子宮全摘術を施行した.また術後のヘリカルCTで血管と尿管の走行を確認し,腎動静脈の走行異常を認めた.【症例2】50歳3経妊3経産(経腟分娩).子宮脱のため子宮が摘出されている.MRIより卵巣腫瘍を疑われ当科を受診した.MRI T1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈する境界明瞭で一部充実性部分を含む構造物を認めた.卵巣嚢腫の診断で開腹手術を施行した.術中に後腹膜に構造物を認め剥離を行った.泌尿器科医師により骨盤腎かつ無機能腎と診断され左腎臓摘出術を施行した.【まとめ】術中に骨盤腎が判明した症例と術前に疑い得た症例を経験した.腎臓に高度な水腎症を合併していた場合には術前診断が困難である.画像診断上,腎臓様の構造物が骨盤腔に見られる場合は骨盤腎を考慮にいれ,ヘリカルCTやMRAなどで尿管の走行だけでなく腎血管の位置を把握する必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 48(3) 350-350, 2011


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