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【原著】
自然周期採卵とクロミフェン周期採卵の着床率に関する臨床検討
宮内 修1), 寺元 章吉1), 瀬川 智也1), 加藤 恵一2), 加藤 修2)
新橋夢クリニック1), 加藤レディスクリニック2)
体外受精における排卵誘発剤の多用による患者負担を減らすため当院では,自然周期採卵および低刺激採卵であるクロミフェンhMG周期を用い,各周期主席卵胞の1個採卵を目標としている.今回我々は,2005年2月〜2007年8月に38歳以下で自然周期およびクロミフェンhMG周期において卵子が1個得られた3,264症例(自然周期群749例,クロミフェン群2,515例)の受精率,顕微授精率,分割率,新鮮分割胚移植後の着床率(胎嚢あり),妊娠21週までの流産率を比較検討した.両群の平均年齢に有意差なし.受精率81.8%(自然周期群),81.6%(クロミフェン群)(p=0.967),分割率74.4%,75.7%(p=0.785)と有意差なし.顕微授精率45.7%,33.8%(p<0.001)と自然周期群が高かった.両群の移植胚のグレードに有意差なし.着床率44.9%,35.0%(p<0.001)と自然周期群が有意に高かった.着床後21週までの流産率は30.9%,36.7%(p=0.849)と有意差はなかった.自然周期採卵はクロミフェン周期採卵と比較して,受精率,分割率,分割胚グレードに差はないが,新鮮分割胚移植後の着床に優位であり,分割胚の子宮内培養環境もしくは子宮内膜の着床環境に優れていると思われた.
Key words:in vitro fertilization, natural cycle, mild stimulation cycle, implantation rates
関東連合産科婦人科学会誌, 49(1)
25-28, 2012
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