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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題3】
妊娠末期まで管理した一児limb body wall complexを合併した二絨毛膜二羊膜性双胎の一例


奥村 俊之, 竹田 雀, 杉村 基, 牧野 真太郎, 山本 祐華, 依藤 崇志, 斉藤 知見, 田中 里美, 屋代 律子
順天堂大学産婦人科


 緒言 Limb body wall complex(LBWC)とは重度の腹壁破裂,顔裂や脳ヘルニアの頭部奇形,四肢奇形のうち2つを満たす複雑先天性奇形である.致死性が高いうえ,単胎の場合には妊娠初期に人工妊娠中絶となることが多く,満期まで妊娠継続されることは稀である.今回我々は,二絨毛膜二羊膜性双胎の二児にLBWCを認めたが,一児は健常児で順調に経過したため,妊娠37週に腹式帝王切開術により分娩に至った症例を経験したので報告する.症例 36歳,1経妊1経産,AIHにて妊娠成立した.他院にて妊婦健診を受診していたが,妊娠19週の時点で二児に腹腔内臓器脱出と下肢欠損が疑われ,精査とその後の周産期管理目的に妊娠20週5日当院紹介初診となった.当院での精査超音波で,腹壁形成不全,胸郭低形成と側弯を認めたため,LBWCの診断となった.出生前MRI検査で病児の腹壁と胎盤との癒着と思われる所見を認め,患児は幸帽児での娩出を予定した.前期破水のため,妊娠37週1日に緊急腹式帝王切開術施行となった.病児は幸帽児として娩出したが,第一啼泣なく,全身チアノーゼを認め,出生3時間後に死亡確認となった.結語 近年画像診断の進歩により,妊娠初期から中期にかけてLBWCの診断が可能なことが多く,満期まで妊娠経過を追うことは稀である.今回の症例では双胎であったため妊娠満期まで経過観察を行い,出生前の診断通り病児はLBWCの腹壁胎盤癒着型と考えられた.正確な画像診断と致死性の予測は家族へのカウンセリングや周産期管理に不可欠な情報と考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 292-292, 2012


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