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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題17】
若年に発生し予後不良であった卵巣mucinous tumor with mural nodule(anaplastic carcinoma)の1症例


林 千景, 永田 知映, 井上 桃子, 高橋 一彰, 山本 瑠伊, 国東 志郎, 斉藤 元章, 矢内原 臨, 高倉 聡, 山田 恭輔, 落合 和徳, 岡本 愛光
東京慈恵会医科大学産婦人科


【目的】卵巣粘液性腫瘍には壁在結節を伴うまれな特殊型があり,壁在結節の組織型は肉腫様結節,未分化癌,肉腫に分けられる.当院で若年に発生し予後不良であった未分化癌成分を有する壁在結節を伴う卵巣粘液性腫瘍の1症例を経験したので報告する.【症例】26歳,0経妊0経産.既往歴・家族歴に特記すべきことなし.腹部膨満感と嘔気を主訴に当院受診.術前の画像検査で卵巣粘液性境界悪性腫瘍を疑われ,右付属器切除術・大網切除術を施行された.術後診断は,右卵巣に限局するmucinous tumor with mural nodule(anaplastic carcinoma)で,腹腔洗浄細胞診は陰性であった(pT1apNxpM0).患者・家族の希望で,根治手術・補助化学療法は選択されなかった.初回治療より1年4カ月後に第5腰椎への転移を認められ,放射線治療・化学療法を施行されたが,骨盤内再発,多発肺転移,癌性リンパ管炎をきたし,初回治療より2年7カ月後に永眠された.【結論】壁在結節を伴う卵巣粘液性腫瘍はまれであり,本症例の様に若年に発生した場合は,妊孕性温存手術の可否や術後化学療法の必要性など,治療方針の決定に苦慮する.従来壁在結節が未分化癌で構成されている症例の予後は不良と考えられていたが,近年予後と組織亜型の相関は低く,未分化癌であっても進行期分類Ia期の予後は良好であるとする報告もある.しかし本症例は不幸な転帰をたどっており,今後更なる症例の集積および検討が必要と考えられる.病理組織学的検討および文献的考察を加えて報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 334-334, 2012


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