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第123回学術集会(平成24年6月17日(日))

【一般演題17】
hCGが高値を示した卵巣明細胞癌の一例


櫻井 理奈1, 松本 泰弘1, 香山 哲徳1, 川田 龍太郎1, 手島 映子1, 市田 宏司1, 司馬 正浩1, 竹下 茂樹1, 中川 俊介1, 笹島 直子2, 梁 栄治1, 綾部 琢哉1
帝京大学産婦人科1, 帝京大学病理2


 卵巣明細胞癌は表層上皮性卵巣癌の約20%を占め,化学療法低感受性の予後不良な癌である.今回我々は卵巣明細胞癌でhCG上昇を認めた症例を経験したので報告する.症例は39歳0回経妊.約3か月前から腹部膨満を自覚するも,症状なく様子を見ていた.徐々に腹部膨満が悪化し,左下肢疼痛も出現したため前医受診.腹腔内にecho free spaceがあると判断され,妊娠反応陽性であったため,子宮外妊娠破裂が疑われ当院へ搬送となった.腹腔内に充実性成分を伴う径30cm以上の卵巣腫瘍を認め,hCG 1,861 IU/l,CA125 739.5 U/ml,CA19-9 43.8 U/mlと上昇していた.傍大動脈リンパ節腫大,縦隔リンパ節腫大,鎖骨上リンパ節腫大も認められ,卵巣癌stage4が疑われた.子宮内やその周囲に妊娠組織を認めず,1年以上性交渉がないことから,妊娠性のhCG上昇は否定された.また左下肢の深部静脈血栓症を認めた.hCG産生性卵巣腫瘍と判断し,単純子宮全摘出術,両側付属器摘出術,大網切除術,傍大動脈リンパ節生検術を施行した.病理診断は左卵巣明細胞癌であり,右卵巣転移,腹膜播種,傍大動脈リンパ節転移を認めた.hCG免疫染色を施行したが陰性であった.手術後もhCGの低下を認めず,hCG産生性の他臓器腫瘍も検索したが明らかな合併腫瘍は認められなかった.明細胞癌に対しTC療法を開始したところ,約1か月後からhCGの低下傾向を認めるようになった.しかし転移リンパ節は増大しPDと判断.CPT-P療法に変更し治療継続中であるが,CA125は高値が持続し,hCGは再上昇傾向を示している.hCGと他の腫瘍マーカーとの関連は認められない.hCG産生部位の特定には至っていないが,転移巣の絨毛癌様分化の可能性を考えている.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(2) 335-335, 2012


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