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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【シンポジウム】
専攻医研修(後期研修)こそ真の臨床修練である


齋藤 宣彦
前日本医学教育学会会長


 昭和48年の検討開始以来,36年後にしてようやく必修化された初期臨床研修制度は着実にその成果を上げている.2年間の初期研修が修了すると,いよいよ専攻医研修(後期研修)となるが,この初期研修後の修練こそが,国民に期待される医師を養成するための最重要の部分である.  医師養成のさらなる改善のためには以下の2点が今後の検討事項であろう.  第1は,多くの医学部・医科大学では5年次で臨床実習を開始するが,医師国家試験をクリアするために6年次で座学への後戻りを余儀なくされ,臨床現場での教育が医師国家試験のために中断されているのである.これまでにも再三いわれてきたことだが,今後は,卒前から卒後へと続くシームレスな医学教育システムを構築する必要がある.  第2は,専攻医研修こそが医師養成に欠くべからざる修練であることを認識し,より高い能力を持った医師を育成するための具体的方策を立案する必要がある.以下,この点について言及する.  専攻医研修で,いかに優れた医師が育つかは,ひとえに専攻医研修の体制とプログラムと指導医にかかっている.初期研修修了者が専攻医研修プログラムを選び,当該病院にアプライできるシステムを全国規模で構築するのも一案であろう.すなわち,@魅力ある専攻医研修プログラムを有し,A優秀な指導医が配置され,B症例数が十分で,C研究成果や学会活動の実績もあり,D地域性にも配慮した専攻医研修病院をあらかじめ定めておき,初期研修修了予定者は,それらの病院の情報を得て自分が希望する専攻医研修病院にコンタクトするのである.とくに,専攻医研修では,病院数を限定し,あらかじめ地域ごとに研修定員を調整しておくことで,都会偏在や有名病院偏在を避けることができる.  魅力ある専攻医研修プログラムとは,通り一遍の到達目標ではなく,専門領域の中でもとくに個性的な到達目標を明示し,specificな研修方略を実施していることなど,同じ領域の他の医療機関との違いが示されていなければならない.  人的資源としての専攻医研修指導医は,@初期研修指導医の資格,Aその領域の専門医の資格に加え,その領域の指導医資格も必要である.現在,多くの学会の指導医資格は,専門医資格を有し,一定の知識や経験年数や経験症例数があれば指導医と認定しているが,指導医として必要なプロフェッショナリズムやマネージメント能力や教育学的手法等についての修得度は,指導医資格の条件になってはいない.新たにこれらの内容を含んだ専門領域ごとの“専攻医研修指導医養成講習会”を立ち上げる必要があろう.それとともに,指導医が専攻医研修医を指導した際の指導実績を高く評価するルールも確立しなければならない.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 386-386, 2012


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