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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
高度肥満子宮体癌に対し,根治術前に脂肪層切除術を施行した一例


峰 俊輔, 多賀谷 光, 奈良 政敏, 大森 真紀子, 端 晶彦, 平田 修司
山梨大学産婦人科


 子宮体癌の標準的治療は手術療法であるが,高度肥満で手術が困難な例も少なくない.今回我々は高度肥満を合併する子宮体癌に対し術前の減量療法後,皮膚皮下脂肪層切除術を行うことで良好な視野が得られ,術中術後経過が良好であった症例を経験したので報告する.症例は39歳0経妊0経産.不正出血訴え近医受診,子宮体癌疑われ高度肥満合併のため当科紹介.来院時身長156.4cm,体重161.8kg,BMI 66.9であった.内膜組織診では類内膜腺癌G1であり,MRIでは筋層浸潤は認めなかった.当院内分泌代謝内科に高度肥満の精査にて入院,内分泌疾患による肥満は否定的であった.GI,Ia期と考えられ約3ケ月間食事療法と運動療法を行い125kgまで減量後,手術施行した.手術時に視野を確保しやすくするために,1)腹部の余剰皮膚,脂肪を縦12cm,幅49cm,厚さ6cmで切除し2)創部はALEXIS WOUND RETRACTORを用いて展開した.手術は腹式単純子宮全摘術,両側付属器切除術を施行した.縫合不全を防ぐため閉腹時筋膜上にJ-VACドレーンを2本留置し死腔の形成を予防した.術後は血栓予防のため低分子ヘパリンの投与を行った.術後10日目に抜糸行ったが,創部離開は来さなかった.病理診断は類内膜腺癌GIで,ごくわずかの筋層浸潤を認め,脈管侵襲を認めなかった.StageIa(日産婦2011),洗浄腹水細胞診陰性であった.再発の低リスク群と考えられ,追加療法は行わないこととした.高度肥満は周術期のリスクは高いが,工夫することによって,より安全に手術を行うことが出来ると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 406-406, 2012


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