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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
一時留置型下大静脈フィルター抜去に際し血栓吸引術を必要とした妊娠後期発症深部静脈血栓症の一例


堀江 健司, 鈴木 寛正, 大口 昭英, 桑田 知之, 薄井 里英, 松原 茂樹, 鈴木 光明
自治医科大学産婦人科


 妊娠後期,産褥期には深部静脈血栓を合併しやすい.今回我々は,一時留置型下大静脈フィルター抜去に際し血栓吸引術を必要とした妊娠後期発症深部静脈血栓症の一例を経験した.症例は34歳の初産婦,妊娠27週に右下肢腫脹が出現した.超音波検査で右大腿静脈から浅大腿静脈の深部静脈血栓症と診断し,ヘパリン持続静注を開始した.妊娠36週3日には,大腿静脈の血栓は縮小していた.筋腫核出術後のため,分娩様式は選択的帝王切開術の方針であったこと,また,妊娠中で骨盤内血栓の評価が不十分であったことから,手術前日に右内頸静脈から一時留置型下大静脈フィルターを挿入・留置し,37週1日に選択的帝王切開術を行った.術後2日目に骨盤内血栓の評価目的で造影CTを撮影したところ,下大静脈フィルターから遠位5cmまでの血栓形成を認め,抜去に際し肺塞栓症の発症が危惧された.術後5日目に,右大腿静脈から冠動脈造影用のカテーテルを挿入して新規血栓を可及的に粉砕・吸引し,その後下大静脈フィルターを無事抜去し得た.その後症候性の肺塞栓症を合併することなく,ヘパリン持続静注からワーファリン内服へ変更し,現在外来フォローアップ中である.我々が調べた範囲では,妊娠中に合併した深部静脈血栓症に対して,下大静脈フィルターの抜去時に血栓吸引術を行ったという報告は見つからなかった.妊娠中に血栓形成範囲を評価することは難しい.分娩前に一時留置型下大静脈フィルターを使用する場合は,長期間留置が困難であることから,留置するメリット(肺塞栓予防効果)とデメリット(抜去時の肺塞栓発症リスク)などを十分に説明しておく必要があるかもしれない.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 408-408, 2012


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