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<< 学会誌へ戻る 【緒言】帝王切開術や子宮筋腫核出術後の妊娠は，子宮破裂のリスクが高まることが知られている．今回，子宮筋腫核出術後の妊産婦で妊娠33週時に子宮破裂を来たし母児共に救命し得た一例を経験したので報告する．【症例】39歳女性，1経妊1経産．開腹子宮筋腫核出術の既往があり，術後6ヶ月で体外受精-胚移植にて妊娠が成立した．妊娠14週時に当院紹介初診となり，その後妊婦健診を定期的に受診していたが妊娠経過に異常は認められなかった．妊娠33週時に強い子宮収縮と急激な腹痛を主訴に救急要請となり，当院搬送となった．来院時のバイタルサインは収縮期血圧60台，脈拍60台であり，経腹超音波断層法による診察所見から常位胎盤早期剥離もしくは子宮破裂が疑われた．同時に胎児徐脈も認めた為，NRFSの診断及び子宮破裂もしくは常位胎盤早期剥離の可能性を念頭に置き緊急手術とした．緊急帝王切開術を施行し，児は1940g，男児，Ap5（筋緊張-2，カラー-1，呼吸-1）/9でNICU入室となった．腹腔内には多量の凝血塊貯留を認め，子宮後面に約4cm×4cm大の穿孔部を確認した．穿孔部周囲はS状結腸間膜と癒着し被覆されていた．穿孔部位を2層縫合し，B-Lynch変法を施行し手術終了とした．出血量3350g，手術時間1時間14分であった．【考察】子宮筋腫核出術の既往により妊娠経過中に子宮破裂生じた症例報告は多いが，術式・妊娠週数・陣痛発来等に関係なく発症している．子宮筋腫核出後妊娠での子宮破裂の予測は非常困難だと考えられ，頻度は低いものの常に子宮破裂の可能性を考慮に入れ，急変時の対応・高次医療施設への搬送に備える必要がある． 関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 410-410, 2012 |
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