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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
止血困難な産褥大量出血に対して遺伝子組換え活性型血液凝固第7因子製剤が著効した一症例


佐藤 史朗, 小幡 新太郎, 計良 和範, 塙 真輔, 西方 紀子, 清水 久美子, 杉田 達哉, 田中 圭, 上杉 健哲
成田赤十字病院産婦人科


【緒言】遺伝子組換え活性型血液凝固第7因子製剤(以下ノボセブン)は産科大量出血に対して使用され有効であったとの報告が散見される.当院でも止血困難な産褥弛緩出血に対してノボセブンを使用し,有効な止血を得た症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.【症例】25歳女性,妊娠39週で前医で吸引分娩となった.分娩後に出血持続し,2500ml程度の出血を認め当院に救急搬送された.当院搬送時(分娩後6時間)血圧96/51,心拍140,意識清明,顔面蒼白,膣より持続性の出血を認めた.採血データはHb5.0,g/dl血小板7.1万,PT-INR2.01,APTT75.3秒,FDP1228μg/ml,D-dimer656.8μg/mlであった.5%アルブミン750ml,照射濃厚赤血球(MAP)4単位,新鮮凍結血漿6単位,ガベキサート酸メシル酸塩を投与した.その後も膣からの持続的出血を認めたためにさらにMAP6単位投与しながら子宮腔内ガーゼ充填,子宮双手圧迫を施行した.なおも膣からの持続的出血に加えて会陰縫合部針穴からの出血も持続して止血困難な状態であったが,重度のDICのために開腹での子宮摘出術は困難と判断,ノボセブンを投与(分娩10時間半後)した.投与直後より出血減少を認め投与後2時間後の診察では出血はほとんど認めない状態になった.その後も出血はほとんど認めず,採血データも改善,全身状態も良好であったために分娩後3日目に前医に転院となった.【結論】産科的大量出血に対しては子宮動脈塞栓術,子宮全摘術などが施行されることが多い.ノボセブン投与は産褥弛緩出血によるDICに対しては保険外であること,費用が非常に高価であることなどの問題点があるものの重要な選択肢の一つにいれてよいと思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 413-413, 2012


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