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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
化学療法中に腎後性腎障害が進行し,薬剤性意識障害を来たした卵巣癌の1例


山本 泰寛, 長阪 一憲, 宮本 雄一郎, 中江 華子, 織田 克利, 有本 貴英, 松本 陽子, 三浦 紫保, 川名 敬, 矢野 哲, 藤井 知行, 上妻 志郎
東京大学産婦人科


【緒言】我々は化学療法後の発熱性好中球減少の加療中に抗生剤の副作用として意識障害を呈したと考えられた進行卵巣癌症例を経験したので報告する.【症例】73歳,1経妊1経産.両側卵巣癌の手術目的で前医より紹介.術前検査で両側水腎症を認めたためDIP施行し術前に尿管ステント留置し,両側卵巣癌の診断で腹式単純子宮全摘,両側付属器切除,大網部分切除,膀胱表面腫瘍摘出術を施行した.手術時間は5時間44分,出血量は2720mlであった.腹水迅速細胞診はclass 5.残存病変は5mm大までの播種のみで,卵巣癌StageIIIb(pT3bNxMo)の診断となった.術後療法は病理診断でneuroendocrine differentiation像の強い腫瘍でありEtoposide:130mg/body,100mg/m2,Cisplatin:98mg/body,75mg/m2を投与した.day13に発熱性好中球減少症を認めたためCFPM4g/dayとG-CSFを投与開始した.その後Cre2.79mg/dlと上昇し尿管ステントの脱落を疑う所見を認めたため両側尿管ステントを交換した.しかし同日昼より時間単位で進行する意識障害が出現し夜にはJCS(Japan Coma Scale)30まで意識障害は進行した.抗生剤をCFPMからPIPC/TAZ9g/dayに変更した結果,意識レベルはJCS10程度の改善し翌日早朝からせん妄症状あるも徐々に軽快しJCS0〜1まで改善し夜には意識障害は消失した.その後意識障害の再発はなく後遺症も認めていない.意識障害の原因はCFPM過量投与による意識障害の可能性が最も高いと考えられた.【結語】CFPMはGABA受容体を阻害することがあり意識障害をきたすことが知られている.化学療法中の感染症に対する抗生剤治療は日常的に経験するが腎後性腎障害が進行しうる場合には抗生剤過剰投与の可能性を注意する必要がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 421-421, 2012


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