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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
硫酸マグネシウムの予防投与後に子癇発作を来したHELLP症候群の一例


若松 修平, 梅山 哲, 篠崎 悠, 本田 能久, 櫻井 信行, 寺西 貴英, 福庭 一人
富士重工業健康保険組合太田記念病院産婦人科


 HELLP症候群では早急なターミネーションと血圧コントロールおよび子癇発作予防が治療の要となる.特に子癇発作は産科DICの要因としても注意が必要であり,硫酸マグネシウムを用いた予防が推奨されている.今回我々は,HELLP症候群に対して緊急帝王切開術後に,硫酸マグネシウム投与を行なったにもかかわらず,子癇発作を発症した症例を経験したので報告する.患者は23歳,未経妊未経産.近医での妊娠経過に特記すべき異常はなかった.妊娠34週6日に心窩部痛,嘔吐,頭痛が出現しHELLP症候群の疑いで当院母体搬送となった.当院搬送時,血圧は182/102mmHg,肝酵素の軽度上昇を認めた.硫酸マグネシウムおよびニカルジピン投与を開始し,同日中に緊急帝王切開術を行ない1992g女児,Apgar 8点/9点を出産した.術後も硫酸マグネシウムを継続し血圧は130-150/70-90mmHgと速やかに低下し,症状も軽快した.しかし,術後20時間後に一時的な意識消失を伴う痙攣発作が出現した.血圧は180/110mmHgと上昇し,血液検査では溶血所見と血小板の減少,肝酵素の急激な上昇を認めた.発作は自然軽快し,頭部CTおよびMRIでは,脳出血はなくPRESを疑う後頭葉の浮腫を認めた.その後,降圧治療とDIC予防治療を継続し,血圧,血液検査数値は正常化した.妊娠高血圧症候群で硫酸マグネシウム投与後の痙攣発作では脳出血との鑑別が重要となる.しかし,硫酸マグネシウムの子癇予防効果は59%との報告があり,本症例のように予防投与にもかかわらず子癇に至るケースがあることに注意が必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 425-425, 2012


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