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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
産褥12日目に発症した可逆性脳血管攣縮症候群の1症例


朝田 嘉一, 渡邊 直子, 和田 麻美子, 大井 恵
山梨赤十字病院産婦人科


 症例は36歳2経妊1経産,妊娠40週2日に常位胎盤早期剥離にて緊急帝王切開を施行したが,術後胎盤剥離面からの出血が止まらず,血小板を含む大量輸血を施行した.術後管理としてアルブミン,利尿剤を投与し呼吸状態を含む全身状態は改善したが,術後8日目より血圧の上昇を認め,Caブロッカーにて降圧を試みるもコントロールは不良であった.術後10日目より頭痛の訴えが増加しNSAIDsを投与するも効果は少なく,術後12日目には頭痛で離床困難となり,痙攣様の発作が認められた.脳内疾患の可能性を考慮しMRI,MRAを施行したところ,左中大脳動脈の狭窄と同血管領域の脳梗塞および両側前頭葉脳溝内のくも膜下出血を認めたが,麻痺は左足の感覚異常のみであった.降圧剤,脳保護剤等で治療を開始したところ頭痛も軽快し,術後17日目のMRI,MRAでは脳梗塞およびくも膜下出血の増大はなく,左中大脳動脈の狭窄は改善していた.この為,今回の症例はくも膜下出血を伴った可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome:RCVS)であり左中大脳動脈の狭窄の為に脳梗塞が発症したと考えられた.RCVSは,脳血管に可逆性の攣縮を認める一連の病態である.主訴は頭痛で,産褥期の発症が多く,薬剤誘発性の場合もある.多くは予後良好であるが,攣縮の程度によっては脳梗塞を発症することもある.また約20〜25%でくも膜下出血を合併する.産褥期はその40%に頭痛の訴えがあると言われているが,そのほとんどは経過観察やNSAIDsを投与のみで軽快する.しかし産褥期に発症する激しい頭痛に際してはRCVS等の脳疾患も考慮し精査すべきであると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 430-430, 2012


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