関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
Wernicke脳症と診断された一絨毛膜二羊膜双胎


遠藤 真一1, 石川 隆三1, 川内 雅子1, 松澤 晃代1, 金井 雄二1, 望月 純子1, 天野 完1, 恩田 貴志2, 海野 信也1
北里大学病院総合周産期母子医療センター産婦人科1, 北里大学産婦人科2


 意識障害を主訴に救急搬送され,Wernicke脳症と診断された一例を経験したので報告する.【症例】28歳,0経妊0経産.6週1日に近医で妊娠と診断され,9週6日,一絨毛膜二羊膜双胎のため,当院紹介となった.家族歴・既往歴に特記すべきことなく,飲酒歴もない.喫煙は妊娠前まで20本/日,妊娠前は体重58kgであった.6週頃より悪心・嘔吐があり,摂食不良であった.7週頃より複視を自覚,徐々に症状の増悪を認めていたが,外来受診時に訴えはなかった.12週3日,尿失禁と意識障害をきたし,救急搬送された.来院時,JCS III-200,血圧116/99mmHg,心拍数188/min,体重は46kg(-20%)であった.血液検査所見はHb 15.3g/dl,AST 106U/l,ALT 196U/l,TSH<0.01μIU/ml,fT4>7.77ng/dlで尿中ケトン体は3+であった.頭部CTを施行し,頭蓋内出血性病変や明らかな梗塞は認めなかった.直ちに1号液とチアミン100mgを投与したところ,2時間後には従命可能なレベルまで意識レベルが改善した.MRIのFLAIR画像で両側視床内側と中脳水道周囲に高信号がみられ,Wernicke脳症と診断された.眼位正中位での回旋性眼振,両側側方視での注視方向性の混合性眼振,両側の外転傷害を認めた.両上肢のBarre徴候は陰性であったが,鼻指鼻試験は両側で稚拙であった.下肢は両側股関節周囲の疼痛のため自動困難であり座位保持も不可能であった.入院後,チアミン500mgを含む補液を継続している.現在,妊娠15週0日でMRI所見は改善を認めているものの,嘔気は持続し,下肢の筋力低下に対しリハビリテーションを行なっている.なお胎児発育は順調である.(BPD 25mm/28mm)


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 430-430, 2012


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会