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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
分娩中のアナフィラキシーショックのため胎児機能不全を発症した1例


加々美 桂子1, 奥田 靖彦2, 笠井 真祐子1, 大木 麻喜1, 小笠原 英理子1, 端 晶彦1, 平田 修司1
山梨大学産婦人科1, 山梨大学地域周産期等医療学講座2


【緒言】アナフィラキシーは母児ともに生命に関わる病態である.今回,分娩中にアナフィラキシーショックを発症し,胎児機能不全となったため緊急帝王切開を施行して母児ともに救命しえた1例を経験したので報告する.【症例】37歳,4経妊1経産,1型糖尿病合併妊娠.薬剤アレルギーの既往なし.39週1日,オキシトシンにて誘発開始するも分娩進行せず,PGF2αに変更した.2時間後に咳嗽出現し,その後軽度変動一過性徐脈が出現した.さらに母体の呼吸状態も悪化し,SpO2 90%となり意識レベルも低下した.低血糖は認めず,血圧98/58mmHg,心拍数78bpmであった.PGF2αを中止し,酸素投与を開始したところ,SpO2 96%まで改善したが,高度変動一過性徐脈が頻発した.胎児機能不全と診断し緊急帝王切開を施行した.手術室に入室する際には全身が紅潮しており,アナフィラキシーショックが疑われた.ピペラシリン投与後3分後より咳嗽が出現し,症状が進行していることから原因は薬剤性によるものと考えられた.全身麻酔下に緊急帝王切開施行し,3472g,Apgar9/10,臍帯血pH7.11の男児を娩出した.手術開始直後にエピネフリン0.3mg皮下注,手術終了時にヒドロコルチゾン100mg静注したところ,症状は改善した.術後は母体のバイタルや呼吸状態は問題なく,児はNICUに入室したが経過良好であった.【結語】高度の血圧低下を伴う重篤なアナフィラキシーショックではないにもかかわらず,胎児機能不全となった一例を経験した.とくに薬剤投与中の急変はアナフィラキシーを念頭に置き,対応することが肝要と考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 437-437, 2012


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