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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
8例の癒着胎盤,6例の付着胎盤における子宮筋層と胎盤接合部の病理像


有澤 正義
都立大塚病院検査科


【目的】癒着胎盤は用手的に剥離できないもの,付着胎盤は用手的に剥離できるものという臨床的な分類がある.病理的な癒着胎盤の定義は,絨毛が直接子宮筋層に接着していることである.胎盤を用手剥離してきたものに,絨毛と子宮筋層の直接の接着を認めた癒着胎盤例があった.定義を明らかにするために癒着胎盤,付着胎盤における子宮筋層と胎盤接合部の病理像を検討した.【材料】7例の子宮全摘になった癒着胎盤,1例の子宮全摘を免れた癒着胎盤,6例の用手剥離あるいは自然娩出に成功した付着胎盤を病理的に検討した.【結果】7例の子宮全摘になった癒着胎盤の接合部は子宮筋層が菲薄化し絨毛が直接子宮筋層に接着する像や部分的に楔状に筋層に分け入る像を認めた.1例の癒着胎盤は臨床的な診断は付着胎盤であったが,用手剥離後,病理検査で絨毛と筋層の直接の接合を認めたので,癒着胎盤と診断した.6例の付着胎盤のうち5例は剥離時に脱落膜が破損したため筋層の接着が証明されなかった可能性がある.そのため,病理的には癒着胎盤という診断にはならなかった.1例の付着胎盤は2時間後に自然娩出となった.この例は脱落膜の破損も欠損もなかったが,脱落膜に炎症細胞浸潤と脱落膜の菲薄化が認められた.【考察】癒着胎盤と付着胎盤の病理的な定義は明らかであるが,実際の診断は脱落膜の破損があると推測診断となる.重症度に関して言えば子宮内の脱落膜の欠損あるいは絨毛の深達度の程度だと考えた.子宮に遺残する胎盤は時間がたてば自然娩出する可能性のあるものもあるが,敗血症,DIC,母体死亡の危険性があることを忘れてはいけない.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 441-441, 2012


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