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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
絨毛性疾患の術前診断で緊急子宮全摘術を施行した侵入奇胎の1例


杉浦 友美, 松下 純子, 小関 真理子, 板井 侑里, 池田 真理子, 櫻井 理乃, 金野 潤, 木原 真紀, 石谷 健, 橋本 和法, 平井 康夫, 松井 英雄
東京女子医科大学産婦人科


【症例】38歳の外国人.自己申告では0経妊0経産,月経不順にて最終月経は不詳,初診前の半年間以上性交渉なし.1ヵ月以上持続する不正性器出血にて近医を受診した.経腟超音波断層法にて子宮体部に腫瘤影を認め,子宮体癌疑いにて当科紹介受診となった.初診時の内診にて急激な性器出血の増加を認めたため,至急検査にて血清HCG-β値を測定したところ3631 mIU/mLであった.骨盤造影MRIでは,内部に出血を伴い不均一に造影される直径7cmの腫瘤影を子宮体下部筋層に認め,子宮平滑筋肉腫が疑われた.胸腹部造影CTでは明らかな転移巣を認めなかった.子宮頸部/体部細胞診および組織診にて悪性所見を認めず,血清HCG-β異常高値から絨毛性疾患の可能性を疑った.本人には絨毛性疾患によって性器出血が急激に増加する可能性を説明し,挙児希望がないため子宮全摘手術の同意を得て予定していたところ,初診6日後に多量の性器出血をきたし救急搬送となった.来院時はプレショック状態であったため同日,腹式単純子宮全摘術を施行した.術中出血量は350mlであったが,CRC 6単位の輸血を要した.病理組織診断は侵入奇胎で病変は子宮体下部から頸管に限局していた.術後経過は良好にて6病日に退院となった.術後補助化学療法としてMTX療法(20mg/body筋注×5日連続投与)を外来にて2サイクル施行したが,化学療法終了後より現在まで血清HCGはカットオフ値未満で再上昇を認めていない.【結論】急性腹症だけでなく比較的多量の不正性器出血の初診患者を診察する際には,妊娠や絨毛性疾患を鑑別疾患として念頭におくことにより,より適切な鑑別診断の説明と治療選択が可能となることが示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 455-455, 2012


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