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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
アンドロゲン産生卵巣腫瘍摘出後も高アンドロゲン血症が持続したPCOSの一例


河原井 麗正, 石川 博士, 藤田 真紀, 金谷 裕美, 川野 みどり, 生水 真紀夫
千葉大学医学部附属病院周産期母性科・婦人科


【緒言】卵巣原発のアンドロゲン産生腫瘍は男性化と排卵障害を来す.多くの場合,腫瘍摘出により高アンドロゲン血症は改善する.今回我々は,片側のアンドロゲン産生腫瘍摘出後も排卵障害が持続した多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)症例を経験したので,その経過を報告する.【症例】30歳.身長155cm,体重50kg,BMI20.8kg/m2.初径は14歳だったが月経不順で,21歳からは無月経となり,近医にてカウフマン療法を受けていた.26歳で結婚し,クロミフェン療法を受けたが妊娠に至らず,転居に伴い当科紹介となった.患者は多毛とざ瘡の自覚があり,陰毛は男性型で陰核肥大を認め,基礎体温は低温一相性だった.血中テストステロンは正常値の3倍以上あり,MRIにて左卵巣に径20mmの充実性卵巣腫瘍とその周囲に多数の小嚢胞がみられた.アンドロゲン産生卵巣腫瘍を疑い,左付属器摘出術をおこなったところ,Sertoli-Leydig cell tumorであった.術後,血中テストステロン値は速やかに低下したが,正常範囲までは低下せず,温存した健常側卵巣はネックレスサインを示す多嚢胞発育が持続した.また,陰核肥大も持続し,排卵障害も完全には改善しなかったため,PCOSと診断した.挙児希望があり,男性因子の適応で顕微授精をおこない,妊娠に至った.【考察】本例はアンドロゲン産生腫瘍による高度の高アンドロゲン血症が,腫瘍摘出により改善したため,PCOSによる軽度のアンドロゲン血症が顕在化した稀な症例である.PCOSの診断は,PCOSに類似した病態を除外する必要があり,本症例における,アンドロゲン産生腫瘍の摘出は,PCOSの診断および管理には必須であり,腫瘍摘出後は通常のPCOS管理にて妊娠が成立した.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 461-461, 2012


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