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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
メソトレキセート局所療法が妊孕性温存に有用であった子宮頸管妊娠の1例


栗下 岳, 八重樫 優子, 鈴木 由梨奈, 高橋 健太, 山本 晃子, 栗原 史, 古賀 千悠, 中筋 貴史, 鶴岡 みずほ, 森野 晴美, 小林 康祐, 宇田川 秀雄
総合病院国保旭中央病院産婦人科


【背景】頸管妊娠は異所性妊娠の中でも極めて稀な疾患であるが大量出血による妊孕性温存の問題が報告されている.今回子宮動脈塞栓術を施行せずに子宮温存可能となったメソトレキセート(MTX)局注療法の1例を経験した.【症例】42歳,6経妊2経産.他院にて異所性妊娠を疑われ,妊娠6週5日当科初診.子宮頸管内に胎嚢を認め,頸管妊娠または不全流産の可能性が示唆された.妊娠7週3日頸管内に胎嚢,胎児心拍確認,血中hCG値は51356IU/Lと高値であり頸管妊娠と診断した.本人妊孕性温存希望強く,MTX局所注入療法施行方針となった.妊娠7週4日経腟超音波ガイド下に胎嚢内穿刺し,羊水を1.5ml吸引し,MTX 25mgを胎嚢内に注入した.さらにMTX 25mgを胎嚢周囲の子宮筋層内にも注入し,その後胎児心拍の徐脈を確認し終了とした.Day2胎児心拍停止を確認した.Day8血中hCGは65626IU/Lと依然高値であるため5日間MTX全身投与(MTX 20mg/day)施行.Day13血中hCGは31491IU/Lと低下傾向.パワードプラ法では頸管付近に血流は確認された.同日徐々に出血量増加のため子宮内容除去術施行となった.絨毛組織確認後,頸管から持続性出血ありガーゼによる圧迫止血は有効でなく,頸管内にピトレシン10単位局注し止血を得られた.Day14術後出血ないため退院.術後1ヶ月後血中hCG陰性化確認し,月経再開となった.【結語】今回我々の症例は胎嚢内に胎児心拍を確認できたにも関わらずMTX局所注入療法が全身投与と併用した結果早期に血中hCGを低下させ,自然排出を待ちながら子宮内容除去術を施行したことが,大量出血を防ぎ子宮動脈塞栓術を施行することなく妊孕性温存できたと考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 462-462, 2012


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