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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
卵巣成熟奇形腫再発手術後に後腹膜腔に成熟奇形腫様病変を認めた一例


矢野 倫子, 吉野 修, 甲賀 かをり, 平池 修, 大須賀 穣, 藤井 知行, 矢野 哲, 上妻 志郎
東京大学医学部附属病院産婦人科


 後腹膜腫瘍は比較的稀な疾患であり,時に診断や対処に苦慮する疾患である.今回我々は,卵巣成熟奇形腫再発手術後に後腹膜腔に成熟奇形腫様病変を認めた一例を経験したので報告する.症例は36歳,0経妊0経産,1999年に卵巣奇形腫,2000年に骨盤腹膜炎,右卵巣奇形腫の手術歴があり,2002年前医CTにて卵巣腫瘍の再発を指摘されていたが定期的な受診なく,2011年8月不妊を主訴に当科紹介受診した.内診では子宮後方〜右側に新生児頭大の可動性やや不良の嚢胞性病変を触知,採血ではCA125 44U/mlと上昇を認めた.MRIでは子宮の右背側に長径12cm大の2房性の嚢胞性腫瘤を認め,内溶液はT1強調像でlow,T2強調像でhigh,脂肪抑制T1強調像で抑制されなかった.以上の所見より,卵管留水腫の疑いで2011年11月手術の方針となった.術中所見では,腹腔内に広範な癒着を認め,腹腔内には腫瘤を認めず,術中エコーにて右直腸側腔に腫瘤があることを確認した.嚢胞を穿刺,奇形腫内容様の液体を吸引.術式は腹腔鏡下嚢腫開窓/癒着剥離術となった.病理所見は奇形腫の残存との結果であった.術後1ヶ月には後腹膜腔に再貯留を認めた.術後3ヶ月で採卵,胚移植し妊娠に至っている.病理結果を受け術前残血清にてSCC計測,6.0ng/mlと上昇を認め,術後2か月では5.5ng/ml,術後7ヶ月では7.0ng/mlであった.以上より奇形腫嚢胞壁が既往手術の操作により後腹膜腔に迷入し,炎症性に液体が貯留した可能性が考えられた.後腹膜腫瘍の可能性がある場合,DIPやMRU(MR urography)等による評価も考慮すべきである.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 466-466, 2012


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