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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
急速増大を認めた28歳未婚女性に発生した外陰癌の1例


平野 結希, 菅野 秀俊, 天津 慎子, 田島 敏樹, 池田 仁惠, 信田 政子, 平澤 猛, 村松 俊成, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学医学部専門診療学系産婦人科


【緒言】高齢者に多いとされる外陰癌は,婦人科癌の約3%と稀な疾患である.近年,ハイリスク型HPV感染に起因する若年外陰癌の報告も散見されている.今回,全身性エリテマトーデス(SLE)を基礎疾患とし,若年女性に発症した外陰部扁平上皮癌の1例を経験したので報告する.【症例】28歳,未婚,性交経験あり.17歳でSLEを発症し,免疫抑制剤アザチオプリン75mg/日とプレドニゾロン8mg/日を長期服用していた.経過中,ステロイド性糖尿病によりインスリンの自己注射を行っていた.半年前より外陰部腫瘤を自覚するも放置.1か月前から腫瘤の増大,出血および疼痛にて当院受診となった.初診時,外陰部左側に直径約4cm大の腫瘤を認めた.皮膚は潰瘍形成し,一部は自壊し出血を認めた.生検にて扁平上皮癌と診断された.腫瘍マーカーはSCC 2.3ng/mlと上昇.HPVタイピング検査では16,52,58型が陽性であった.CT検査では明らかなリンパ節転移や遠隔転移を認めず,MRI検査でも深部および腟壁への明らかな浸潤はなく進行期Ib期(2008年FIGO分類)と診断された.本症例は基礎疾患としてSLEを持ち,糖尿病合併の若い女性であること.術前画像検査で腫瘍の浸潤が比較的浅く病巣も限局していること.さらに,術後の易感染性などを考慮し,拡大外陰切除術を選択するに至った.病理診断は,SCC,poorly differentiated typeだった.【結語】SLEを基礎疾患とし,免疫抑制剤とステロイドの長期服用中急速に増大した若年者外陰癌を経験した.HPV検査では16,52,58型が陽性であった.若年者の外陰癌に対する予防や治療すなわち,HPVワクチンの有効性や術式について再検討していきたい.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 470-470, 2012


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