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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
腹腔鏡下卵巣悪性腫瘍妊孕性温存手術の適応と限界


増永 彩, 岩本 豪紀, 大田 昌治, 大川 智実, 菊池 友美, 藤田 裕, 小林 織恵, 山崎 龍王, 田村 和也, 小林 弥生子, 梅澤 聡
武蔵野赤十字病院産婦人科


 手術療法を要する良性卵巣嚢腫に対して腹腔鏡下手術が広く施行されている.開腹手術に比べ手術侵襲,疼痛,入院期間,回復期間などの面での利点は異論の無い所であるが,術前より悪性が疑われる卵巣腫瘍例には開腹手術が選択されることが多い.その理由として術式の制限,術中被膜破綻の増加,port site metastasisなどが挙げられている.今回我々は,術前より悪性が強く疑われた卵巣腫瘍3例に対し,インフォームドコンセントの上,腹腔鏡下に妊孕性温存手術として病側付属器切除術を施行したので報告する.手術に際し,腫瘍回収時の腫瘍内容の腹腔内への漏出を回避する目的で,比較的切開創の大きなCovidien SILSポートを臍部に使用し,また単孔式手術での欠点とされる鉗子干渉による術式の制限を回避する目的で複数のトロッカーを留置し,多孔式で施行した.切除した付属器は,回収袋にて臍部のSILSポート孔より腫瘍内容を吸引しつつ回収した.3例中2例では,腫瘍は周辺臓器との癒着を認めず,腫瘍内容液の腹腔内への漏出なく回収可能であったが,子宮内膜症性卵巣嚢腫の悪性転化例において,腫瘍と子宮後壁間の癒着剥離時に被膜破綻を起こし内容液の腹腔内への漏出を起こした.本例の被膜破綻が開腹手術であれば回避可能であったかどうかは不明であるが,子宮内膜症性卵巣嚢腫の悪性転化例のように腫瘍と周辺臓器間に強固な癒着が存在する場合には開腹手術を選択すべきなのかも知れない.一方,周辺臓器との癒着が無く,回収袋に収容可能な大きさの悪性腫瘍の場合,腹腔鏡手術ゆえの術式制限や術中破綻の回避策を講ずれば,腹腔鏡下でも開腹手術と同等の安全性をもって手術可能と考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 481-481, 2012


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