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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
進行・再発卵巣癌の難治性腹水に対するデンバーシャント留置の有効性に関する検討


岩端 秀之, 戸澤 晃子, 竹内 淳, 山中 弘之, 近藤 亜未, 横道 憲幸, 吉田 彩子, 吉岡 範人, 大原 樹, 津田 千春, 田中 守, 鈴木 直
聖マリアンナ医科大学産婦人科


【緒言】卵巣癌の腹水の貯留は患者の全身状態の悪化や呼吸苦,摂食障害により患者のQOLを著しく低下させる原因の一つである.腹腔―静脈シャントであるデンバーシャント(以下DS)留置は腹水コントロールを目的とした積極的な緩和治療の一つであり,患者のQOLの改善に寄与すると考えられている.今回我々は難治性腹水を伴う進行・再発卵巣癌患者に対するDS留置術の有効性について検討した.【対象・方法】2011年5月から2012年4月までに当科でDS留置を行った進行・再発卵巣癌4症例を対象とした.組織型は漿液性腺癌2例,明細胞腺癌1例,不明1例であった.平均年齢は65.8±14.2歳,PS(performance status)2〜4の症例,4症例共に難治性腹水が合併しており,摂食障害や腹部膨満感を訴えていた.DS留置前後の腹部膨満感,PS等の変化やQOLの改善について検討した.【結果】4例中3例は腹部膨満感の改善が認められ,特に2例では腹水のコントロールが良好となり,呼吸苦やPSの改善し,自宅療養が可能となった.臨床症状の改善が認められた3症例のDS挿入後生存期間の平均は81.7±51.4日であった.一方,1例では一時的に症状緩和が認められたが,留置後早期に急性腎不全,PE・DVTが発症したためDS抜去となった.【結語】DS留置は,進行・再発卵巣癌における腹水のコンロールに対して重要な緩和治療の選択肢の一つとなる可能性が示唆された.難治性腹水の改善により,呼吸苦やPSも改善され,自宅で療養も可能になったことから,DS留置術は進行・再発卵巣癌患者の難治性腹水に対し,QOLを改善する有効な治療法であると考えられた.一方,重篤な合併症を発症する可能性もあるため十分な注意が必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 482-482, 2012


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