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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
当院で治療した卵巣癌IV期症例の臨床病理学的背景と長期生存症例の解析


橋本 志歩, 野村 弘行, 津田 浩史, 片岡 史夫, 千代田 達幸, 井口 蓉子, 山上 亘, 冨永 英一郎, 進 伸幸, 青木 大輔, 吉村 𣳾典
慶應義塾大学医学部産婦人科


【目的】腹腔内播種や所属リンパ節転移を超えた遠隔転移を認める卵巣癌症例はFIGO進行期IV期に分類されるが,上皮性卵巣癌におけるIV期症例の占める割合は全体の7.6%にすぎない(2010年度日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会報告).そこで本研究では,上皮性卵巣癌IV期症例の臨床病理学的背景を明らかにすることを目的に検討を行った. 【方法】当院にて上皮性卵巣癌IV期と診断され治療を施行した77例を対象とし,後方視的検討を行った.対象症例につき各種臨床病理学的背景を検討し,5年を超える長期生存症例につき治療内容を解析した. 【成績】年齢中央値は56歳(30-82歳),組織型の分布は漿液性腺癌45例(58%),類内膜腺癌6例(8%),粘液性腺癌3例(4%),明細胞腺癌11例(14%),その他の組織型12例(16%)であった.M1の内訳(のべ数)は,胸膜転移39例(51%),遠隔リンパ節転移23例(30%),肝転移23例(30%),肺転移14例(18%),その他8例(10%)であった.NACを選択した症例は42例(55%),初回手術で他臓器合併切除まで施行した症例は18例(23%)であった.OS中央値は20.7ヶ月,5年OSは19.6%であり,漿液性腺癌/類内膜腺癌はその他の組織型と比較し有意にOSが良好であった(p<0.05).5年以上の無再発例は4例,生存例は11例あり,胸膜転移のみの症例,手術療法にてoptimal reductionしえた症例,再発が癌性腹膜炎以外の症例,薬物療法にて長期にSDであった症例等が含まれていた. 【結論】上皮性卵巣癌IV期には漿液性腺癌,胸膜転移症例が多く含まれていた.予後は極めて不良であるが,個々の症例に応じた手術療法や薬物療法の工夫が,一部の症例で長期の生存につながる可能性があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 483-483, 2012


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