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第124回学術集会(平成24年10月28日(日))

【一般演題】
不明熱と意識障害で発症し,術後意識障害が改善した子宮留膿症の一例


加藤 恵利奈, 林 忠佑, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学板橋病院産婦人科


 不明熱と意識障害で発症し,術後意識障害が改善した子宮留膿症を経験したので報告する.【症例】71歳 女性 2回経妊2回経産.2年前ペットの死をきっかけにうつ状態となり前医へ入院し,認知症の診断で加療されていた.1ヶ月半前に感冒様症状があり,その後臥床傾向となった.2週間前より38度台の発熱があり,抗菌薬にて加療されたが改善なく経過した.膿性帯下がみられ腹部CTを施行したところ卵巣腫瘍が疑われ,当科へ紹介された.入院時体温38.8℃,脈拍127回/分,血圧167/92mmHg,意識レベルJCS2-20 意識障害を認め,項部硬直を認めた.腹部膨満,下腹部に小児頭大の腫瘤を触知した.変形性股関節症のため開脚できなかった.腟分泌物は膿様であった.経腟超音波検査上,子宮の腫大と,内部に腫瘍を疑う所見を認めた.両付属器は不明瞭であった.血液検査上WBC 24200/mm3,Hb10.4mg/dl,Plt 44.3×104/μl,CRP 21.26mg/dlと貧血及び炎症所見を認めた.髄液所見で,髄膜炎は否定的であった.脳波検査上多発する徐波を認めた.CT,MRI上骨盤内に約20cm大の腫瘍を認め,内部に液体と空気の貯留を認めた.腫瘤は子宮と連続性があり,子宮留膿症と診断した.抗菌薬にて加療し,入院9日目に単純子宮全摘術+両付属器切除術を施行した.(手術時間2時間9分,出血量201ml)子宮を穿刺すると膿が1400ml吸引された.病理組織検査にて子宮留膿症の診断であり,悪性所見はなかった.術後意識状態は徐々に改善した.全身状態も軽快したため,術後20日目紹介元へ転院した.


関東連合産科婦人科学会誌, 49(3) 484-484, 2012


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