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【症例報告】
腫瘍切除後に再発し,感染を合併した会陰切開部子宮内膜症の1例


松岡 歩, 寺田 美里, 山縣 麻衣, 尾崎 江都子, 平敷 好一郎, 伊東 敬之, 伊澤 美彦
松戸市立病院産婦人科


 子宮内膜症の発生臓器は骨盤内臓器にとどまらず,まれに会陰切開縫合部に発生することがある.会陰切開部子宮内膜症は月経時の疼痛や瘙痒感,出血が臨床症状であり,まれに感染の合併や悪性化も報告されている.今回我々は腫瘍切除後に再発し,感染を合併した会陰部子宮内膜症の1例を経験したので報告する.症例は38歳で2回の経腟分娩の既往がある.何れも分娩時に正中左側会陰切開を施行している.2回目の分娩の2年後,28歳時に外陰部左側に小指頭大の腫瘤を自覚し,近医で腫瘍切除術を施行,異所性子宮内膜症と診断された.33歳時に再発し,近医にてGnRHアゴニスト療法を施行した.一旦症状は改善し外来経過観察となり,その後通院を自己中断した.38歳時,同部位に有痛性で5 cm大の腫瘤を認め,発熱を伴うようになったため当院を受診した.感染を合併した会陰切開部子宮内膜症と診断し,抗生剤の投与を行った.炎症が改善したところで腫瘍切除術を施行した.病理組織検査では子宮内膜症に合致する所見を認めた.再発の予防目的に術後ジェノゲストの投与を開始した.外陰部とりわけ会陰切開創に一致した部位に腫瘍を認めた場合には本疾患の可能性を念頭に入れ,詳細な問診,診察および各種画像検査を行う必要がある.治療にはホルモン療法と外科手術があり,本症例のような再発や感染,場合によっては悪性化のリスクを考慮し,個々の症例に応じて治療方針を検討すべきである.

Key words:Episiotomy scar, Endometriosis, Dienogest

関東連合産科婦人科学会誌, 49(4) 589-593, 2012


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