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第125回学術集会(平成25年6月15日(土),16日(日))
【一般演題】
高年初産婦と非高年初産婦の比較:高年初産は難産か?
今井 公俊
今井産科婦人科クリニック産婦人科
【目的】一般的に高年初産には難産が多いと言われている.その一因として高年初産にはハイリスク症例が多数含まれている事が挙げられる.そこで主にローリスク妊婦を扱う当院においても高年初産に難産が多いか否か検討した.【方法】2004年〜2012年の9年間に当院で妊娠36週0日以降に出産した単胎妊婦を後方視的に検討した.検討項目は,妊婦身長,体重,BMI,妊娠中増加体重,不妊治療の有無,分娩第2期,分娩所要時間,帝王切開の有無,吸引分娩の有無,出血量,児の身長体重頭囲胸囲,胎盤重量,Apgar1分値,臍帯動脈血pH,Base Excess(BE)である.【成績】対象となったのは高年初産婦212人,非高年初産婦1304人であった.帝王切開率は,高年初産婦26/212=12.3%,非高年初産婦72/1304=5.5%で,有意に高年初産婦で高率であった(p<0.0003,odds比2.4).骨盤位を除いて帝王切開率を検討しても同様に高年初産婦で有意に高率であった(高年初産婦16/202=7.9%,非高年初産婦34/1263=2.7%,p<0.0002,odds比3.1).併し頭位経膣分娩での吸引分娩率は両者間で有意差を認めなかった(高年初産28/186=15.1%,非高年初産130/1229=10.6%,p=0.07).他の検討項目で有意差を認めたものは,妊婦体重,BMI,妊娠中増加体重,不妊治療の有無,出血量,分娩第2期の時間,Apgar1分値,臍帯動脈血pH,BEであった.児の身長体重頭囲胸囲,胎盤重量分娩所要時間には有意差を認めなかった.【結論】ローリスク妊婦に於いても高年初産は非高年初産に比して難産が多いと考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(2)
337-337, 2013
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