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<< 学会誌へ戻る PRES（posterior reversible encephalopathy syndrome）は頭痛，痙攣，意識障害等の臨床症状と特徴的な画像所見を呈する可逆性の中枢神経合併症の総称である．今回我々は子癇発作を認めた3症例に対し頭部MRI検査を施行し全例にPRES所見を認めたので報告する．症例1：38歳5経妊0経産．IVF-ETにて妊娠成立．不育症にて低用量アスピリン療法施行．妊婦健診中は血圧正常，尿蛋白は認めず．妊娠41週0日陣痛発来後より血圧上昇と頭痛を認め分娩進行中に子癇発作を来した．胎児機能不全で緊急帝王切開．子癇発作150分後のMRI検査にてPRES所見を認めた．症例2：40歳1経妊1経産．自然妊娠．巣状糸球体硬化症を基礎疾患に持ち，妊婦健診中は尿蛋白陽性を認めるほか血圧正常．妊娠37週2日陣痛発来後より血圧上昇と頭痛を認めヒドララジン点滴しつつ経腟正常分娩．分娩後も血圧高値持続しCa拮抗薬点滴したが，分娩23時間後に子癇発作を来した．子癇発作40分後のMRI検査にてPRES所見と微少動脈瘤を認めた．症例3：28歳0経妊0経産．自然妊娠．妊婦健診中血圧正常，尿蛋白は認めず．妊娠29週5日急激な血圧上昇と腹痛を認め常位胎盤早期剥離にて緊急帝王切開．術後血圧高値にて降圧薬内服したが，視野異常を訴えたのち術後13時間後に子癇発作を来した．子癇発作4時間後のMRI検査にてPRES所見を認め，CT検査にてクモ膜下出血を認めた．症例2，3では産褥HELLP所見を認めた．全例で急な血圧上昇と頭痛，視野障害といった子癇前症を伴い，子癇発作直後のMRI検査にてPRES所見を認め，約1ヶ月後のMRI検査にてPRES所見の消失を認めた．子癇発作にはPRESを合併しやすく，脳障害の予後予測のために経時的なMRI評価が有用と考えられた． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 513-513, 2013 |
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