関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
急速な転帰をとった腹膜原発悪性中皮腫の1例


中林 誠1, 清水 華子1, 宮本 真豪1, 飯塚 千祥1, 青野 抄子1, 遠武 孝裕1, 竹中 慎1, 三村 貴志1, 石川 哲也1, 森岡 幹1, 関沢 明彦1, 九島 巳樹2
昭和大学産婦人科1, 昭和大学病院病理科2


 悪性中皮腫は中皮に由来する比較的稀な腫瘍で,胸膜に多く,ついで腹膜にみられる.早期診断が困難で,確立した治療法もなく予後不良な疾患である.上皮型悪性中皮腫は多彩な上皮様構造を呈し,腺癌と類似しているため鑑別が困難で免疫組織学的検索が必要である.症例は67歳,1回経妊1回経産.良性卵巣腫瘍手術の既往がある.腹部膨満,全身倦怠感を主訴に来院した.多量の腹水貯留と血液検査にてHb:7.0g/dl,CRP:22.0mg/dl,CA125:4783U/mlと異常を認めた.腹水細胞診:class5(腺癌の疑い).腹水培養:陰性.CT検査にて著明な腹膜肥厚と腹膜播種を認めた.診断のため開腹手術の方針とした.両側卵巣は認めなかったが,両側卵管と卵管采付近に腫瘤を認めた.黄褐色の大量腹水と多発腹膜播種巣を認め,大網は播種により一塊となっていた.術中迅速病理診断は低分化腺癌であった.卵管癌による腹膜播種,または腹膜癌を疑い,子宮全摘術+大網部分切除術+腫瘍減量術を行った.HE染色による病理診断は腹膜・低分化型漿液性腺癌であった.術後15日目より化学療法(dd-TC療法)を開始した.重篤な副作用もみられず順調であったが,その後急速な腹水の再貯留による循環不全から心不全・腎不全を併発した.全身状態の急激な悪化のため術後28日目に死去した.その後の免疫組織学的検査の結果,vimentin+,CKAE1/3+,caretinin+であったため,上皮型腹膜原発悪性中皮腫と診断した.卵巣に腫瘍を認めず,著明な腹水貯留および腹膜・大網に播種性病変を認める場合には,卵管癌の腹腔内播種・腹膜癌の他に,腹膜原発悪性中皮腫を鑑別として念頭におかねばならない.診断には免疫組織学的検査が必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 526-526, 2013


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会