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【症例報告】
絨毛性腫瘍の疑いで緊急子宮全摘術を施行した侵入奇胎の1例


杉浦 友美, 松下 純子, 小関 真理子, 板井 侑里, 池田 真理子, 櫻井 理乃, 金野 潤, 木原 真紀, 石谷 健, 橋本 和法, 平井 康夫, 松井 英雄
東京女子医科大学病院産婦人科学教室


 侵入奇胎は胞状奇胎娩出後の1次管理中にhCG値の減衰パターンが経過非順調型を示すことが一般的であり,しばしば不正出血の持続を認める.今回,不正出血の急激な増量により緊急子宮全摘術を要した侵入奇胎の1例を経験した.症例は38歳2経妊1経産,最終月経は不詳.1か月以上持続する不正出血にて近医を受診した.経腟超音波で子宮体部に腫瘤影を認め,子宮体癌疑いにて紹介受診となった.初診時の経腟超音波で一部囊胞状の病変を認め,内診・細胞診施行により出血量の増加を認めたため,血中hCGを含む術前検査を施行した.骨盤造影MRIでは,内部に出血を伴い不均一に造影される直径7 cmの腫瘤影を子宮体下部筋層に認め,血中hCGも3,631 mIU/mLと高値を示したため,絨毛性腫瘍を疑った.胸腹部造影CTでは明らかな転移巣を認めず.子宮頸部/体部細胞診・組織診は悪性所見を認めなかった.初診6日後に多量の性器出血をきたし救急搬送され,来院時ショック状態であり同日,緊急子宮全摘術を施行した.術中出血量は350 mlであったが,CRC 6単位の輸血を要した.病理組織診断は侵入奇胎であった.術後化学療法(メトトレキサート療法)を施行し,現在までhCGはカットオフ値未満で再上昇を認めていない.本症例は最終月経や先行妊娠が不明だったが,超音波所見から絨毛性腫瘍を鑑別に挙げたことにより診断に至り,治療方針の決定につながった.

Key words:invasive mole, hysterectomy, hCG, genital bleeding

関東連合産科婦人科学会誌, 50(4) 607-611, 2013


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